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ショート・ショート展覧会  作者: 悠介
第1部 有限の地球
5/9

第5話 十秒後

 十秒後の出来事を映す不思議な鏡。

 ところがある日……。

 Aは、鏡が好きだった。変わったデザインの物を見ると、すぐ買ってしまう。Aは、暇があれば鏡を見ているのだ。

 ある休日。

 Aは、旅行でやって来たとある街の商店街を歩いていた。すると、一つの商店を見付けた。

 古そうな店。看板が取り付けられていないので、どんな物を売っている店かも解らない。

 興味を惹かれて、入ってみる。

 すると、店の奥の方に、一つの手鏡を見付けた。

 Aは、それに一目惚れし、すぐに購入した。少し高かったが、Aは気にしなかった。人は誰でもそうだ。自分の為なら金を惜しげなく使うのに、人の為なら躊躇する。

 しかし、使っている内に妙な事に気付いた。

 Aが鏡に顔を映しても、Aの顔は映されず、代わりに妻の顔が映る。そしてその十秒後、妻が「何コレ~」と言ってAを押し退ける。

 鏡の前で手を振っても、手は映らない。代わりに、十秒後の出来事が映るのだ。

 こんな変な鏡だが、Aは決して手放さなかった。むしろ珍しく、もっと好きになってしまった。

 ある日。

 Aが鏡を見ていると、何とガラスが頭に刺さって、血をダラダラと流して倒れている自分が映ったのだ。

「うわッ、何だコレ!」

 Aは怖くなり、鏡を放り投げてしまった。

 すると、床に当たった鏡は割れ、ガラスの破片が、Aの頭に飛んで来た。

 

 丁度、十秒後だった。

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