プロローグ
はじめましての方もいるかもしれません。
作者の皆麻 兎と申します。
この度は、『犬鬼人随想録 ~蒼き牡丹外伝~』にアクセス戴き、誠にありがとうございます。
当作品は、完結した『八犬伝異聞録 蒼き牡丹』の番外編を収録した作品となっています。
『蒼き牡丹』では主人公である現代の女子高生・三木狭子の視点で描かれましたが、当作品は、同作品に登場した里見の八犬士や、それ以外の登場人物の視点で物語が進んでいきます。
視点は章ごとに変える予定ですので、宜しくお願い致します。
また、当作品は『蒼き牡丹』を犬士達の視点で一部描いたりなど、多少のネタバレがあります。
『蒼き牡丹』をご一読されていない方は、そちらの方を先に読まれてからこちらを開くのが良いかと思われます。
「現在って…何年?」
今でも思い出せる、その娘の第一声。
某―――――――――犬塚信乃戌孝は、滸我におわす足利成氏公に仕官するため、故郷・大塚村から旅を始めていた。
その娘と出逢ったのは、道中で通った円塚山での山中。道端に倒れていた娘を初めて目にした時、ひどく驚いたのをよく覚えている。
「浜路…?!」
異風の体に尼のような髪。見た事のない装束を身に着けていたのにも驚いたが、何より印象的だったのは…故郷に残してきた許嫁・浜路と顔がうり二つだという事実だった。
その後、その娘とは滸我へ着くまでの道中を共に旅して一旦別れる事となる。名は三木狭子といい、姓を持つからにはどこかの武家出身の姫かと思いきや…本人が申すには、500年以上先の世から来たという。
滸我までの道中は、あまりに目新しい出来事が多くてよくは考えていなかったが…この狭子との出会いが、己の生き様を大きく変える運命的な出会いになろうとは、当時は全く考えていなかった某であった――――――――――――――――――――
いかがでしたか。
このプロローグでわかる通り、最初は犬士の一人・犬塚信乃の視点で物語を進めていきます。なので、第1章か彼の章といったかんじ?
今後の展開として考えているのは、犬飼現八編や犬江親兵衛。悪役だと蟇田素藤辺りのを考えています。
それと、本当の意味で言える”番外編”として、『蒼き牡丹』のキーパソンであった少年・染谷純一の物語も書きたいな~とか考えています。
…それを実行に移せるのかはわかりませんが…
本業も忙しいので、こちらは少しずつ更新していこうかと思います!
さて、次回から第一章に当たる『犬塚信乃編』になると思いますので、よろしくお願いします(^^