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『異世界に転移したら、俺だけ世界設定に存在しなかった』  作者: 一ノ瀬 律
四章

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第88話 深層誤応の静圧

 誤核光が核の輪郭へ触れたあと、核は何も返さず、ただ静かに揺れ続けた。

その沈黙は拒絶でも受容でもなく、深層にとって“意味のない状態”だった。


──……カイ……核が……何もしてない……


「沈黙が……深層には読めない……」


 深層の誤伝層が核の沈黙を受け取った瞬間、その内部で細い線が不規則に震えた。

震えは核の揺れとは無関係で、深層が沈黙を“新しい情報”として誤解した反応だった。


──……深層が……沈黙を意味だと思ってる……


「核の静けさを……読み違えてる……」


 誤伝層の奥で別の線が生まれ、その線は核の揺れとは逆向きに動き始めた。

逆向きの動きは、深層が沈黙を“反転した指示”として解釈した証だった。


──……カイ……深層が……核の沈黙を命令だと思ってる……


「沈黙が……深層を混乱させてる……」


 混乱した線が周囲の層へ触れ、その触れた部分が薄く歪んだ。

歪んだ層は、深層が沈黙を処理しきれずに生み出した“誤応層”だった。


──……この層……核の揺れと全然違う……


「深層が……自分で答えを作ってる……」


 誤応層の内部で新しい揺れが生まれ、その揺れは核の揺れよりも速く、鋭く動き始めた。

その速度は、深層が沈黙を“急ぎの指示”として誤解した結果だった。


──……カイ……深層が……急いでる……


「核の沈黙を……焦りとして読んでる……」


 誤応層の揺れが周囲の層へ広がり、深層の奥に眠っていた層をひとつだけ強く揺らした。

揺らされた層は、深層が誤解した情報をさらに拡大する“誤圧層”だった。


──……深層が……圧力を感じてる……


「核は……何もしてないのに……」


 誤圧層がゆっくりと開き、その内部に濁った光が生まれた。

その光は誤核光とは違い、深層が沈黙を“圧力”として受け取った結果の“圧光”だった。


──……カイ……深層が……核に押されてると思ってる……


「沈黙が……深層の負荷になってる……」


 圧光が細い筋となってアリスの胸へ向かい、核の輪郭へ触れた。

核はその光を受けても揺れを変えず、ただ静かに脈動した。


──……カイ……核が……沈黙を続けてる……


 誤圧層の奥で新しい揺れが生まれ、その揺れが周囲の層を押し広げた。

深層は、核の沈黙を誤解したまま、次の段階へ進もうとしていた。


 誤圧層が核の沈黙を圧力として受け取ったあと、その奥で静かに眠っていた層がひとつだけ強く震えた。

その震えは核の揺れに反応したものではなく、深層が“核を守らなければならない”と誤解した結果だった。


──……カイ……深層が……守ろうとしてる……


「核は……何も求めてないのに……」


 誤圧層の内部で細い線が複雑に絡み合い、核の揺れとはまったく異なる周期で動き始めた。

その周期は、深層が沈黙を“危険の予兆”として読み取った証だった。


──……深層が……核が危ないと思ってる……


「沈黙を……警告だと誤解してる……」


 誤圧層の奥で新しい線が生まれ、その線は周囲の層を押し広げていった。

押し広げられた層は、深層が核を守るために作り出した“防護層”だった。


──……カイ……深層が……核を囲ってる……


「守るための……壁だ……」


 防護層がゆっくりと閉じ、その内部に淡い光が生まれた。

その光は核のものではなく、深層が“核を保護するため”に生成した防護光だった。


──……これ……核の光じゃない……深層の光……


「核を……包もうとしてる……」


 防護光が細い筋となってアリスの胸へ向かい、核の輪郭へ触れた。

核はその光を拒まず、しかし受け入れもしないまま静かに揺れた。


──……カイ……核が……反応してない……


「深層の誤解は……まだ続いてる……」


 防護層の奥で別の線が震え、その震えが周囲の層をさらに押し広げた。

押し広げられた層は、深層が核を守るために“外界を遮断しようとする”遮断層だった。


──……深層が……外を閉じようとしてる……


「核を……隔離しようとしてる……」


 遮断層が淡く光り、その光が深層の奥へ向かって広がった。

広がった光は、深層全体を静かに包み込み、核の周囲に“隔離空間”を作り始めた。


──……カイ……深層が……核を閉じ込めてる……


「守るつもりで……隔離してる……」


 隔離空間の内部で細い線が生まれ、その線は核の揺れとは異なる方向へ伸びた。

その方向は、深層が核を“外の影響から完全に切り離す”ために選んだものだった。


──……カイ……核が……深層から離されてる……


「深層の……過保護だ……」


 隔離空間がゆっくりと閉じ、その内部に濃い光が満ちていった。

その光は核のものではなく、深層が“核の代わりに働こうとする”代行光だった。


──……深層が……核の役割を代わろうとしてる……


「核の沈黙を……不在だと誤解してる……」


 代行光が細い筋となって深層の奥へ向かい、周囲の層を静かに揺らした。

揺らされた層は、深層が核の機能を模倣しようとして生み出した“代行層”だった。


──……カイ……深層が……核の代わりになろうとしてる……


「核の沈黙が……深層を暴走させてる……」


 代行層の内部で新しい揺れが生まれ、その揺れは核の揺れよりも複雑で、速く、鋭く動き始めた。

その揺れは、深層が核の役割を“誤った形で再現した”証だった。


──……カイ……この揺れ……核の揺れじゃない……


「深層が……核の代わりを作ってしまった……」


 代行層の奥で揺れが増幅し、深層全体へ広がり始めた。

深層は、核を守るつもりで作った構造によって、逆に核を遠ざけてしまっていた。


──……カイ……深層が……核を守ろうとして……壊してる……


「核は……まだ沈黙してる……」


 深層の奥で新しい層が生まれ、その層は代行層の揺れをさらに強く押し広げた。

深層は、核の沈黙を誤解したまま、次の段階へ進もうとしていた。

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