意地っ張りな幼馴染に好きって言わせたい
掲載日:2026/01/26
「今は令和。同性で友チョコ交換も当たり前だし、シェアだって普通にやってるし。……つまり、“これ”にはトクベツな意味なんてないから」
2月14日、放課後の教室。
幼馴染の少女が視線を泳がせながらそんなことを言う。
その手には、ハート柄の包み紙でラッピングされた小箱。
「あいにくと、俺は本命しか受け取らない主義なんだ。友チョコなら友だちとシェアすりゃいい」
ニッコリ笑顔で背を向けたら、幼馴染が息をのむのがわかった。
数秒あと、消え入りそうな小さな声で言う。
「とも、チョコじゃ、ない」
「聞こえないな」
まだひねくれたことを言うから、聞こえないふりを決め込む。
業を煮やした少女が、今度は声を大にする。
「本命だから、受け取りなさいよバカ!」
「おう」
「なによ、余裕ぶってムカつく。あんたは返事くれないの?」
「答えはホワイトデーに」
「なんでじらすのよ!」
とびげりされて、俺はチョコの箱ごとふっとんだ。
教訓。
意地っ張りすぎるのは良くない。お互いに。




