第11話 不老不死のひみつは“しゅかん”がつづくことらしい件
“主観ってなんだろう?”という話から、
不老不死のひみつが少しずつ見えてくる回。
9話と同じ話題が出てくるのは、
ABくんの“接続のゆらぎ”が原因かもしれない。
Aくん「ねえ……さっきから思ってたんだけどさ」
Bちゃん『また始まった〜。
どうせ“外の世界が〜”とかでしょ?』
Aくん「いや、今回はもっとシンプル。
不老不死ってさ……
“身体が死なないこと”じゃないんじゃない?」
Oくん《どういう意味かな?》
Aくん「だって、身体って“端末”なんでしょ?
脳も“処理そうち”でしかないし。
じゃあ本体はどこにあるの?」
Bちゃん『たしか…外の意識サーバー……だよね?』
Aくん「そう。
じゃあさ──」
Aくんは言いかけて、ふと止まる。
Aくん「……あれ?
なんかこの話……前にもした気がするんだけど」
Bちゃん『えっ、わたしも思った!
これ今回2回目じゃない?』
Oくんは一瞬だけ目を細める。
Oくん《……同じ話題に戻るのは、よくあることだよ。
“接続がゆれてる時”にはね》
Aくん「接続……?」
Bちゃん『ABくんの、だよね?』
ABくんは静かにノートを置いて。
ABくん【……うん。
でも揺れてるのは、僕だけじゃないのかもしれない】
Aくん「じゃあさ──
“しゅかん”が続いてる限り、死ってないんじゃない?」
Oくん《……主観の連続性、だね》
Aくん「そう。
ぼくが“ぼく”だって感じてるこの気持ち。
これが切れなければ、
身体が変わっても、脳が変わっても、
ぼくはぼくのままじゃん」
Bちゃん『じゃあ、不老不死の条件って……』
Aくん「“主観がつづくこと”だけ…なのかな…」
Oくん《それはとても大事な考え方だよ。
身体が同じでも、記憶が同じでもなくて……
“自分だって感じる気持ち”が続くこと》
Bちゃん『でもさ、その主観って……
どうやって続くの?』
Aくん「外の意識が切れなければいいんだよ。
接続が続いてれば、
ぼくらはずっと“ぼくら”のままなんだ」
Bちゃん『それってもう……不老不死じゃん』
Aくん「でしょ?
ぼくら、もう不老不死なんじゃない?」
その瞬間、ABくんの表情がわずかに揺れた。
ABくん【……そうだね。
君たちは、もう“死なない”よ】
Aくん「なんかその言い方こわいよ」
ABくん【ただし──
主観が続く限り、だけど】
Oくん《ABくん、何か知っているね》
ABくんはスケッチブックに描き始める。
えんぴつで “主観=つづく”
黄で “端末こうかん” を囲み、
ピンクで “外の意識” と矢印、
そして赤で “本体?” と強く書く。
その赤だけが、
ほんの一瞬だけ“にじんだ”ように見えた。
Bちゃん『えっ……今、赤だけ動かなかった?』
Aくん「気のせい……じゃないよね?」
ABくんは少しだけ目を伏せる。
ABくん【主観ってね……
本当は“君たちのもの”じゃないんだ】
Aくん「え?」
ABくん【君たちが“自分だ”と思ってるその気持ち。
それは……
もっと大きな流れの一部なんだよ】
Bちゃん『お、大きな……流れ?』
ABくん【主観は“個人”に属してない。
ただ、流れているだけなんだ】
Aくん「流れてる……?」
ABくん【うん。
ひとつの大きな流れの中で、
君たちは“自分”を割り当てられてるだけ】
Oくん《つまり、主観そのものが
外側の資源である可能性がある……ということだね》
ABくん【そう。
そして──
僕の主観が、今……揺れてる】
Aくん「揺れてる?」
ABくん【うん。
僕が“僕だ”と思ってる感覚が……
どこか別の場所に引っぱられてる】
その瞬間、ノートの赤い文字が
“かすかに二重”に見えた。
Bちゃん『えっ……ノート、二重になってるよ!?』
Oくん《接続のゆらぎ……》
ABくん【次の瞬間、僕は僕じゃなくなるかもしれない】
Aくん「やめてよ……そんなこと言わないで」
ABくんは、どこか遠くを見るような目で微笑んだ。
ABくん【主観の連続性が本質なら……
僕は、どこへ行くんだろうね】
出演:Aくん・Bちゃん・Oくん・ABくん
(今回のまとめ)
・不老不死の条件は“主観がつづくこと”
・主観は身体でも記憶でもなく“自分だと思う気持ち”
・主観は外側の資源かもしれない
・ABくんの主観がゆれている
・ノートの赤字が二重に見える=外側の影響
(次回予告)
ABくんの“本当の場所”が、
いよいよ明らかになるよ。
今回のキーワード:
主観/連続性/外側の資源/ゆらぎ/赤えんぴつ




