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タイムマシンの話をしていたら、なぜか不老不死の話になった件 ~Aくんたちの放課後ふしぎノート~  作者: とまCo


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第1話 タイムマシンには“うけとるきかい”がいるらしい件

限界集落の小さな学校。

同じ学年は4人だけ。

だからこそ、教室は“ぼくらだけの世界”になる。

 帰りの会が始まる前の、ちょっとだけ静かな時間。

 先生は職員室に行っていて、教室には4人だけが残っていた。

 日差しがゆっくり差しこんで、机の影がのびていく。


 AくんとBちゃんは、いつものように窓ぎわの席でおしゃべり。

 Oくんは静かに本を読み、

 ABくんは教科書をまくらにしてすやすや寝ていた。


挿絵(By みてみん)


Aくん「ねえ、タイムマシンってどうやって作るんだろう」


Bちゃん『また急にそんな話?

    帰りの会の前にする話じゃないよ』


 Aくんは、えんぴつをくるくる回しながら言った。


Aくん「だってさ、未来からメッセージを送るって考えると……

   “過去に受けとる機械を置く方法”が必要なんだよ」


Bちゃん『あー、なるほど。

    未来の人がメール送っても、

    こっちにスマホなかったら読めないってことね』


Aくん「そうそう。

   でもさ、“過去に受けとる機械を置く”って……

   それもうタイムマシン完成してるよね?」


Bちゃん『たしかに、なんかへんなループだね』


 そのとき、Oくんが本から顔を上げた。


Oくん《それ、むずかしい言葉でいうと“じこパラドックス”ってやつだよ》


Bちゃん『Oくん、いつから聞いてたの?

    すごい!むずかしい言葉しってるね!』


Oくん《えっ……あ、うん……》

 (ちょっとだけ耳が赤くなる)


Oくん《べ、べつに……たまたま読んだ本に書いてあっただけだよ》


 その横で、ABくんがむくっと起き上がる。


ABくん【……受けとる機械って、どこに置くのがいいんだろう】


Aくん「お、起きた。ABくんも聞いてたの?」


ABくん【ねてたけど、なんか気になる言葉が聞こえた】


Bちゃん『寝起きでしれっと会話に入らないでよ』


 ABくんはふらっと立ち上がり、黒板の前へ。


ABくん【はい、じゃあここテストに出ま〜す】

 (ピンクのチョークで

  “受けとる機械(受信機) → かこ”

  と書く)


Aくん「なんで先生みたいになってるの?」


Bちゃん『てかそのチョーク、どこから出したの?』


Oくん《でも図としては分かりやすいね》


 Aくんはランドセルのポケットから

 “見守りスマホ”を取り出した。


Aくん「もし未来からのメッセージが来てるとしたら……

   “へんなメール”にまぎれてるかもしれないよね」


Bちゃん『未来の人、へんなメール扱いされるのかわいそう』


Oくん《でも、ありえる話だよ。

   未来の通信のやり方が今とちがったら、

   “よく分からないデータ”としてはじかれるかもしれない》


ABくん【よく分からないってだけで、

    ほんとは大事なメッセージだったりしてね】


Aくん「それ未来の人泣くよ」


 ふと、Aくんは自分の手を見つめた。


Aくん「……なんかさ、さっきから変な感じするんだよ」


Bちゃん『また?今度はなに?』


Aくん「自分の気持ちが……つながってないっていうか。

   さっきのぼくと、今のぼくがちょっとズレてる感じ」


Bちゃん『それただの寝不足じゃない?』


Oくん《“こころのつながり”って、じつはあいまいだからね》


ABくん【……ズレるのはふつうだよ。

    むしろ、ズレないほうがふしぎかも】


 Aくんは笑ってごまかす。


Aくん「まあ、気のせいか。

   でも今日の教室……なんか時間の流れが変じゃない?」


Bちゃん『変ってどういうこと?』


Aくん「いつもより……遅いような、早いような。

   なんか“決まってる”感じがするんだ」


Oくん《“決まってる時間”って表現、おもしろいね》


ABくん【うん。

    世界ってさ、ちゃんとつじつまを合わせるために

    ちょっとだけ“なおしてくる”ことがあるんだよ】


Bちゃん『なおすって……ゲームじゃないんだから』


 Aくんは笑いながらも、どこかそわそわしていた。


Aくん「でもさ、今日の教室……なんか“外側”が固い感じしない?」


Bちゃん『外側ってなに?壁のこと?』


Oくん《たとえ話としては分かる気がする》


ABくん【……外側には、あんまりさわらないほうがいいよ】


 その瞬間、Aくんの見守りスマホがぶるっと震えた。


Aくん「なんか……海外の人からメールきた…?

   え、こわい……」


 Bちゃんがすぐにのぞきこんでくれる。


Bちゃん『ちょっと見せて。へんなのじゃないといいけど…』


 ABくんもひょいっと顔を近づけた。


ABくん【unknown-node-01……

    ああ……もう始まったんだね】


 帰りの会のために先生が教室へ入ってきて、

 いつも通りの時間が戻ってきたのに、

 Aくんの胸の奥だけが、ほんの少しざわざわしていた。


出演:Aくん・Bちゃん・Oくん・ABくん


(今回のまとめ)

教室で、Aくんがふと話し出した「タイムマシン」の話題。

“受けとる機械”というキーワードから、4人の会話は少しずつ

ふしぎな方向へ進んでいきました。

ABくんが黒板に書いた図、Aくんの胸のざわざわ、

そして unknown-node-01 から届いた謎のメール。

静かな教室の外側で、なにかが動き始めています。


(次回予告)

次回、4人は下校班で家へ帰る道の途中、

“情報は送れるけど、ものは送れない”という新しいふしぎに出会います。

ABくんのスケッチブックにも、すでに何かが書かれていて……?


今回のキーワード:

受けとる機械(受信機)/じこパラドックス/こころのつながり/

なおす(補正)/外側/unknown-node-01


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