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自己紹介

 ………自己紹介って何言えばいいんだ?無難な事を言って乗り切る?いや、独特なことを言って笑いを誘う?。だめだ、難しい。こういう時は前のやつに合わせればいい。


「俺の名前は赤城颯太!好きな事は運動全般!あとで興味あるよって女の子は連絡繋ごう!よろしく!」


「あはは………」


 赤城という文字に赤が入ってるだけあって髪も赤い。そして一つわかるのはこれをマネしちゃいけないことだ。気のせいじゃなく、クラス中だけでなく先生すら苦笑いしている。


 当の本人は気が付いているのか、いないのか満足そうに席に座る。ここまでくると天然を超えて鈍感と言うのだろう。


 とりあえず真面目そうな美少女を真似しよう。


「私の名前は佐久川芽衣です。さっき壇上で話していたため、名前を憶えている方もいるかもですね。好きなものは颯太さんと同じで運動です。よろしくお願いします」


 クラス中から拍手が聞こえる。今度は颯太と違って大成功しているから俺もこれをすれば良さそうだな。


 先生もさっきと違って作り物の笑顔ではなく、心からの笑顔全開にしている。ちなみに颯太は顔を見て頬を赤らめていた。


 そしてそのまま順番が回ってくる。


「如月悠真です。好きな事は特にないです。よろしくお願いします」


 クラス中からパチパチとまばらに拍手の音が聞こえる。


 さすがにさっきの美少女よりは少ないが成功と言えるのではないか。


 そのまま一人また一人と順番に終わっていき自己紹介は終了した。




「はい!じゃあみんなの自己紹介が終わったところで!今日のやることを教えます!」


「今日は初日なので学園や施設を見て回りましょう!」


 


 その後先生が「ついてきてください!」と元気よく声掛けをなし列をなしてついていく。


 教室から出てわかるのは圧倒的な大きさだ。この学校は全寮制なため、生徒が住む施設のほかに、能力を高めるための訓練施設などがあるらしいがこのあと先生が紹介してくれる。


「はい!ここが皆さんの家となる場所です!」


 マンション。学園よりは大きさは劣るがそれでも大きなマンション。綺麗な壁だけではなく、実際に中に入って説明している途中にみたが、エントランスも誰も使ってないような新品だ。これだけを見たらホテルと間違える人もいそうだ。



「男子棟と女子棟で分かれています!」


 左が男子棟で右が女子棟っぽそう。エントランスで合流するような作りになっている。そのままエントランス近くには食堂があるためそこで食事を済ますと、説明を聞いてる生徒たちは驚いたような顔をしている。恐らく心の中では驚きすぎて「すごいな」くらいの感想しか出てこなさそう。



「ここが訓練施設です!ここでは一人で能力の検証をしたり、二人でお互いに切磋琢磨や乱戦なんかもできます!」


『対戦争学園』という名前をしているだけあって訓練施設の質も他とは比べ物にならない。国が運営しているだけあって学園に本気で力を入れているのが目に分かる。


「ちなみに一人で戦闘用ロボと戦うこともできます!っとここで誰かロボと戦ってみたい!という人いますか?」


 俺は絶対にやりたくないが意外にも俺以外はちがうようで男子も女子も「やってみたい!」という声が強い。



「私もやりたいです」



 そんな中全員が喋っているはずなのに耳に突くような声が聞こえた。


 もちろんその声は全員が聞いたことある…名前は………芽衣だっけ。から発せられている。


 芽衣が声を出した途端にさっきまでの威勢はどこに行ったんだとばかりに場がしんと、静まる。


 多分だが、首席の実力見たさがあったのだろう。


「じゃあ芽衣さんにやってもらおうかな!少しでも無理そうだなって思ったら声に出してね。ロボットは自動で止まるようになってるから」


「わかりました。ご心配ありがとうございます」


 芽衣はそんな先生の言葉をさっと受け流して部屋の中にいるロボットと相対する。ロボットと言っても金属で、できた人型だ関節などもあるため人間と近い動きが再現できそう。


「行きます。『炎よ、私に誓え。ファイアボール』」


 そう唱えた瞬間。


「おお!?」


 誰の声かわからないが、どこからともなく声が聞こえた。それもそうだ。いま俺たちが見ているのは、彼女の前にある炎の塊だ。


「はっ!」


 短く声をだすとファイアボールがロボットめがけて素早く飛んでいく。


 そのままロボットに当たり轟音を立てると同時に煙が舞う。


「す、すごいですね」


「ありがとうございます」


 先生があまりの威力に若干引き気味になりつつ、褒めるが芽衣はそんな先生を気にせず姿の見えないロボットの方を注意深く見ている。


 全員「壊れたんじゃないか?」や「すごい威力……」などそれぞれ口ずさんでいる。


「……………ふう」


 煙が無くなった場所にいたのはボロボロに砕けたロボットだった。


 まだ動くかもしれないと細心の注意を払っていて疲れたのか、ロボットを見たのち小さく息を吐く。


「じゃあ芽衣さんのが終わったことだし、みんなお待ちかねの娯楽施設について案内してくよー!」


 その話を聞いた瞬間誰も彼もがこれから来る、楽しみに心躍らせる声を出す。

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