ダンジョンを攻略する日常
【LV10に上がりました。職業を選択出来ます。】
アパートに戻り、コンビニ弁当を食べつつ、酒をあおりながら、ネット。
職業。
設定すると職業に関連するステータスが上昇する。
また、職業に関するスキル、技、魔法が手に入る。
職業は、より深く設定した方が、強いものになる。
例えば、戦闘職より、戦士、魔法使いより火魔法使いなど。
ちなみに、全部とかふざけた職にもつくことができる。
ありとあらゆるスキル、技、魔法をほんのちょっとだけ使えるようになるらしい。
身体強化スキル+バフ魔法+技とかの合わせで、強い攻撃ができそうな気もするが、そんなものより本職の一撃の方が強いらしい。
かなり自由度も高いので、迷ってしまう。
戦闘スタイルで、逆算的に職業を選ぶのがいいとは思うが、そもそもが戦闘スタイルがわからない。
こういうのは、得意パターンがある人は楽でいいんだろうな。
色々考えて、俺の戦闘スタイルは死なないように、怪我しないように。
そういうのがいいかもしれないと結論づける。
回復手段は絶対欲しい。
防御力も高い方がいい。
攻撃は、どちらかというと後、地味にチクチクやりたい。
魔法も欲しいかもしれない。
遠くの敵に攻撃できれば、有利だからな。
魔法の属性を絞るなら火はフィールドによって使えないこともあるからなし、水、風、氷も特に強みを活かせないからなし、土はありなんだが、それよりも欲しい属性がある。
雷だ。
速いし、眩しいから目眩ましにもなりそうだ。
麻痺につなげてもいい。
そうして、色々迷走し、魔法盾士(適正:雷、回復)となった。
ミナト・カガ
魔法盾士(適正:雷、回復)
LV10
最大攻撃力 3
基礎攻撃力 1
耐久力 1→2
体力 1→2
魔力 1→2
精神力 1
知力 10
魅力 0
運 0
習得技
・大防御LV1
習得魔法
・局所放電LV1
・微弱回復LV1
・麻痺回復LV1
基礎ステータスは最大で、合計5上がったというので、俺の選んだ魔法盾士は普通というレベルだろう。
多く望み過ぎたかもしれない。
でも、後悔はない。
一応、技と魔法も調べておく。
大防御は、技を使っている間体力を消費し続けるが、耐久力を1.5倍に上げる効果があるらしい。
レベルが上がると、消費体力が少なくなる。
LV1では、1分で体力1消耗する。
局所放電は、その名の通りの魔法で、魔力1消費で、手のひらから放電できる。
レベルが上がると放電の威力を強くすることもできるようになる。
微弱回復と、麻痺回復はレベルで、回復速度が上がるらしい。
というわけで、俺は強くなった。
気合も充分。
だが、時間はなかった。
明日からまた会社だ。
俺は、布団を敷き、横になった。
会社に行く。
「あ、先輩。おはようございます。」
「加賀さん、おはようございます。」
小林君と千堂さんは、普通に出社していた。
「二人、ダンジョンで休んだんだって?」
「はい。それもあって、11階層で、楽しくやってます。」
「私も11階層で、生産活動とかやってます。」
「ダンジョンもいいけど、会社やめないでね。」
上司は、しょんぼりと言った。
火、水、木、金…過ぎていく時間。
世間は、どんどん進んでいく。
この1週間たらずで、世界の4分の1の人々がダンジョンにこもり、世界の20分の1の人々がダンジョンで、亡くなったと言われている。
ダンジョンはそれほどまでに、今を生きる人々にとって危険で、魅力的な場所なのだ。
俺は、ダンジョン10階層のコボルトを相手にする。
コボルトは、俺と同じくらいの身長で、しなやかな筋肉を持った見た目だった。
普通だったら勝てそうにないが、俺には魔法もある。
調べたところ魔力0になっても、気絶したりはしないらしい。
よって、俺の魔法の残弾は、2発。
コボルトは、麻痺攻撃はしてこないので、局所放電か、回復のタイミングが大事だろう。
コボルトは悠々と近づいてくる。
武器は持っていない。
俺も何も持ってきていない。
武器は奪われたら結構厳しいという情報からだ。
俺は、いつかの小オークのように、走って助走をつけて、蹴りを入れる。
コボルトは、それをガードして受けた。
タイミングはここしかないと思ったので、足から局所放電を使う。
コボルトは、たまらず距離を取った。
俺は、追撃する。
足に蹴りを入れる。
蹴りは必ず足の裏側のかかと下あたりがヒットするように蹴る。
でないと、自分の足を傷つけてしまうかもしれないからだ。
コボルトは、ダメージはしっかり負っているようだった。
俺は、追撃の手をいったん緩める。
コボルトが、反撃してくる。
単純な殴り。
ガードしながらのジャブ。
俺もガードしつつ、隙を見てパンチを入れる。
多分、ほとんど効いていないだろうが、仕方ないと思う。
そのうち、コボルトも俺のパンチが脅威にならないことに気づく。
一気に飛びかかってきた。
俺は、反射的にコボルトの顔面を殴る。
コボルトの顔面より、俺の手の方にダメージが入った。
俺は、飛びかかられ、倒れてしまう。
馬乗りになり、俺を殴ってくる。
俺は、ガードしながら、その手を片方ずつそれぞれ手首を掴む。
暴れつつ、俺に噛みつこうとしてくるコボルト。
両手から放電をする。
今度は、逃さない。
たまらず、暴れるコボルトだったが、俺は、魔法を使い切った。
コボルトが粒子に変わり、俺に吸収される。
【10階層をクリアしました。ステータスポイントを1手に入れました。】
さっそく、防御を上げる。
11階層への階段を降りる。
いつかの自衛官の話の通り、家の部屋につながっていた。
【11階層にたどり着きました。今後ダンジョンへ入る時、1階層へ降りるか11階層に降りるか選ぶ事ができます。また、1〜10階層のモンスターは再び現れるようになりました。】
【拠点①が解放されました。拠点①では、生産活動が出来るようになります。生産活動は、装備加工、アイテム製作、料理、栽培、畜産養殖の5つです。】
【最初は、設備も乏しく出来る生産活動はほとんどありませんが、拠点レベルを上げることで、出来ることも増えていきます。拠点レベルは、生産活動を行うと得られる経験値により、レベルアップします。】
部屋を物色する。
部屋の真ん中に作業台が1つ。
作業台の上には、複雑な魔法陣の書かれた台座もある。
そのほかには、木枠だけのベッドと、水道、机と椅子、何も入っていな棚が1つトイレと風呂があった。
作業台の上の台座に触れる。
【ここでは、インベントリ内の物を加工したり、合成したりすることが出来ます。】
「生産かあ。時間とれないからあんまりだなあ。」
装備やアイテムの制作はどんどん重要になっていくとの情報もあったが、いったん、生産のことは横においておき、ドアの外に出る。
【ダンジョン村で、迷ったら、拠点帰還と発声してください。拠点へ転移します。】
外には、人がたくさんいた。
オンラインゲームの最初の街とかってこんな感じなのかと思う。
ダンジョン村は、比較的安全。
それが、共通認識だ。
治安もいい。
というか、ダンジョン村では、ステータスが関係なくなるので、暴力行為も、犯罪も起こり得ないのだ。
「攻略進めている人は、どこまで行ってるんだろう?とんでもないことだ。」
まあ他人事だから関係ないのだが…。
ところで、今更ながら、このダンジョンってなんなんだろう。
俺達はダンジョンとどう向き合っていけばいいのだろう。
俺は、小難しいことを考えはしたが、どのみち考えても答えは出ないことだともわかっていたので、気にしないことにした。
大きい隕石が、落ちてくるとする。
俺には何もできない。
つまりそういうことだ。




