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クスノキが僕を優しく。
もう何年も帰っていない
故郷を想うと涙が出る
大きく立ったクスノキが
胸を優しく締め付ける
あの時は何とも思わなかった
季節の変わり目が今日は
何だか少し気付けるようで
鈍感さに笑いが零れた
夕焼けに照らされたクスノキが
僕の思い出にやってきて
出来事の中にしかいなかったのに
想いがあふれてしまって
クスノキが僕を優しく包み込んで
まるで聖母みたいな暖かさが
全てを包んで、全てを愛して
僕の中に溜め込まれていく
もう今夜も眠れなくなって
木漏れ日の中座っていた
あの日を思い出してしまって
センチな心はそのままで
夕焼けに聞こえてきた笑い声が
僕の思い出に反響して
クスノキが僕を優しく包み込んで
また昨日みたいな言葉を
全部聞きたくて、全部知りたくて
僕の声と合わさっていく
風上を目指した僕は脱力感に襲われて
もう何もいらないなんて事言ってみて
星空も僕に響かない何故か知らないけれど
僕にとっての星空はあの木に宿っている
クスノキが僕を優しく包み込んで
まるで聖母みたいな暖かさが
全てを包んで、全てを愛して
僕の中に溜め込まれていく




