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四季の中に
もう朝になりました
あなたは元気にしていますか
もう声は聞こえません
あなたはどこで待っていますか
いつもあなたは僕を
置いてけぼりで早歩き
それに追いつこうと歩いても
背中は小さくなるばかり
夏が来る夏が来る
それなのにあなたは隣に居ない
夏が来て海へ走る
それなのにあなたはそこに居ない
もう夜が終わりました
いつまでも気分晴れないまま
もう記憶も掠れてきて
少しずつ声も遠くなっています
いつもあなたに届くよう
背伸びしていたけれど
すっかり追い越していて
なんだか悲しくなりました
夏が来て秋が来る
それなのにあなたはそこに居ない
秋も過ぎて冬が来る
それなのにあなたはそこに居ない
あなたが好きだった桜も
あなたと泳いだ海も
あなたが見ていた紅葉も
あなたがかき集めた雪も
記憶の中に閉まって
そっと蓋を閉じたら…
夏が過ぎれば秋を連れて
イチョウ枯れれば雪積もる
水が流れれば春になり
緑に染まれば夏が来る
それなのにあなたはそこに居ない
それなのに僕は探している




