21/57
桜が咲いた。
僕は暗いままの世界でずっと生きている
平坦な人生を孤独にずっと過ごしている
そんな時に横をふと通り過ぎた君
なぜか感じたことの無い想いが増える
ひらりと咲いた
桜が咲いた
たった数日の綺麗な花が
振り向きもせず歩いていく
君の後ろ姿と重なった
相変わらず暗い部屋で寂しく泣いている
ずっと前なら一人でもちっとも虚しくなかったのに
なんで僕はいつもそうなんだろうな
きっといつまでも分かんないだろうな
ほろりと泣いた
涙が落ちた
床が染みて雫踏んづけた
いつまでもさこんなのばっか
やっぱりダメだよな
どうして泣いてるの
そう言われるだけで
十分に嬉しいからさ
そうして欲しいよ
お願いだからさ
優しい言葉をかけて欲しい
ひらりと咲いた
桜は枯れる
たった数日の綺麗な花は
伸ばした手が届かないまま
何も出来ずに逃げていく
ひらりと咲いて
桜が咲いて
僕の想いまでも持っていく
ピンクの花が綺麗な花が
根本から折れて泣き出した




