序章【終わりからの始まりを信じて】3
今回でひと段落いたします。お待たせしておりますタイトル通りジョビーさんが転生いたします。のらりくらりとプロローグの内容を考えたこともありましたが、メインじゃないのにいつまで引っ張るねん~って、それにしてもプロローグは文字数みんなどうしてるんだろう?1万文字以内?
あと配分ミスって、このEP3は8000文字超えました。計画的に気を付けます。
『ちょっと待ってください、その文献とやらはこの、人間の作った創作物の事を言っておられるのですか?』
ジョビーが本棚から取り出そうとした、文献をローズがいつの間にか持っていた。それをみたジョビーの顔は明るいが、ローズの顔はやっぱりこれですかと疲れ果てた顔をしていた。いいですか?と前置きをしたローズは口早になりつつ一気にどこかで聞いたことがあるようなセリフを言った。
『これは文献などではございません。フィクションなのですよ?実在する人物や地名、団体などとは関係がありません。マネしないでくださいって書いてあるでしょうが!そんなのあたりまえじゃない?そんなことをしたら無駄死にで終わるか、最悪消えてしまうかもしれないでしょう!』
珍しく顔を赤らめて爆発しそうなローズをジョビーは一括でなだめた。
『落ち着け!消えることはない。それに最悪だと?最も悪い悪魔みたいでそれこそ望むところだ!しばらくは会えぬことは間違いないだろうが、それは我々悪魔にとっては些細な問題であろう?それより問題なのは魔王だ!あの怖いもの知らずの魔王を一体誰が止められるというのだ。他の4本指はまだ動かぬだろう・・・となれば』
己を奮い立たせるため鼻で笑い、揺るぐことのない決心の内を部下たちにぶつける。ジョビーがここまで必死になるには十分すぎる理由があるからだった。忘れられない愛刀の無残な姿、一発入れてくるといって無力な自分、あきらめの悪さだけで今までやってきたことが、今では裏目に出ていると思わざる得ない事実。あれほどの魔王を欺くには今までと違った新しい何かを、自分に取り入れなければならないと思う焦燥感。いつものようにおちゃらけて、誤魔化そうにも今回も目的が達成ず、藁にもすがる思いで決断していたのだ。
『ジョビー様・・・』
ローズがたまらず主への名前をもらした。
『この通りだ、みんな協力を・・・チャンスをくれ!我が我であれるように!』
ジョビーは堅物のローズ以外を説得するためにまずは周りを賛同させるために必死だった。それ故にいつもと違うローズに気が付かない。そしてついに説得をしていた当の本人以外の限界がやってきた。
『プ・・・ウフフフ』
『『ア、ハハハー、アーハハハ!』』
ローズが突然笑みをこぼし始めたので周りの部下たちもつられて一斉に笑い出した。ジョビーは空気の流れについていけず、きょとんとした顔で棒立ちになり声をかける
『なんだ?一体全体どうしたのだ!』
焦る声がまた、周囲の者たちをツボを突いて笑いに拍車をかけ転げ笑う者まで出た。ジョビーは一向に収まらないので頼れる副官ローズの方を見るが、目には涙が溜まっており笑い泣き状態だった。はてさてカオスな状況を迎えたジョビーは整理する。
(なんだこれは、何かの呪いか?変なものでも食べたのか?いや、それにしては一同が一斉に笑い出す理由にはならないような・・・)
真剣な顔で悩みだした主であるジョビーがかわいそうになってきたので、ローズは笑いを半ばこらえて誤った。
『すみません。一つ我々からのお返しをさせてもらおうとしていたのです。いつも引き留めても己の信じた道を突き進み、心配、安堵、お見送り、我らがどれだけ感情を起伏させて、魂がキュウっと締め付けられて、後押しする方の気持ち知ってほしかったのですが、ジョビー様のお姿が可笑しすぎて最後までだますことができませんでした。』
驚いたジョビーは、開いた口がふさがらず肩透かし食らって、今までの自分の演説を振り返るとなんと臭いセリフを言ったものかと、顔が赤面しそうになりながら考える。
(まさかいつからだ?)
『ジョビー様がこの人間の文献を拾ってからは、こっそり楽しそうに読んでいることに気が付いた時からうすうすはこうなるんじゃないかと、、、付き合いが長いので大体どんなことを考えているのかわかりますとも、どうせまた都合のいい解釈で勢い任せの決定をするのではないかと皆で話し合って、準備しておりました。魔王城に単身乗り込みに行かれましたので、その時にできることだけはするのが家臣の務めでございます。何もせず我が主の帰りを待つことはできませんよ。』
ジョビーの心を読んだようにローズが答え合わせをした。
『お前たち試したのか?』
低い声でいいえ、と否定するのはジョビーに使える屈指の魔法の使い手ベルゼだ。
『我らはすでにジョビー様がどのような方なのかは理解しているつもりだ、です。ただいつもしてやったで翻弄されて、いろいろ貰うばかりの我らからの一つ目のとっておきのプレゼント・・・お返し、です。そして二つ目は悪魔が人間に転生するための方法と儀式の術を見つけた、でしゅ。んが!?』
たどたどしく答えるのはもともと他の悪魔たちと違い、一人での術式の訓練、開発ばかりして一匹狼だったからだ。故に他の者たちと言葉を交わすことがなく、ぎこちない会話でのコミュニケーションがなじんでしまっていた。ベルゼはジョビーたちの仲間であり、個人の性格なので誰も気にしないが、過去にベルゼを軽くからかったことでジョビーの城が消し飛びかけたこともあったが、それは知る人ぞ知る、というお話だ。
『なに!?それは真か!やはりベルゼ流石だな。してその儀式どうやるのだ?材料とかなんかこうもっと魂をささげるとか、儀式なのだから対価がいるのであろう?』
ゆったり話すベルゼの説明を聞いていたジョビーは興奮して、居ても立っても居られなくなりベルゼの肩を掴んで顔を覗き込み、唾を飛ばしながら質問をする。
『ジョビー様そこまでややこしくはない、です。ただ対価として肉体をささげなければならん、です。悪魔専用復活の秘術を解除しなくては、成功したとしても魂が分かれて廃人になる、です。それでも本当に転生できる、です?転生先が目的が人間ならまだしも昆虫などに魂が移れば笑えない、です。』
ここまで、部下たちにお膳立てをしてもらったジョビーは不安を消し飛ばすために声を荒げた。
『皆がここまでやってくれたのだ、あとは為せば成る、為さねば成らぬ何事もというであろう?ここまで世話になった。ありがとう。』
何かのフラグのような物言いをしたジョビーに、笑いの世界から帰ってきたローズが謝罪をする。
『ここまでしかできず申し訳ありません。もっと確証のもてる禁忌とされる術式を見つけ出せたらよかったのですが、あの書庫に入って見つけれ・・・んぐ』
最後まで話そうとしたローズの言葉をふさいだのはベルゼだった。あの書庫というのは誰も立ち入ることが許されない、やばい資料だらけの部屋だ。どこで誰が聞いているかわからないためタブーとされている。
『ローズどこで聞かれているかわからないだろ、です。』
二人のやり取りを見てジョビーは感づいた。二人は危険を犯してあのお婆の書庫にこっそり忍び込んで探してくれていたのだ。謎が多いお婆はとてつもなく強く、あの魔王に匹敵する何かを持っているのだ。
『そうか、二人とも世話をかけたな、よく無事で戻った。本格的に悟られる前に行動するぞ!』
お婆の目を盗んで悪いことしてくれた二人に感謝を述べ一斉に動き出そうとした時だった。一同の陰に集まり、暗闇から笛の音みたいな声をした者が現れた。
『ふぇっふぇっふぇ、どうやら二人を泳がしたワシの判断は正しか・・・』
影の中から笑い声とともに一歩ゆっくり進んで現れたのは、全身灰色の布をすっぽり被りフードの中から見える鋭い眼光に尖った鼻先、間違いなくあのお婆がこの場に現れたのだった。いち早く気が付いたローズはベルゼに指示を出す。
『ベルゼ!ジョビー様を連れてあの場所に行け。ここは私たちが引き受けた。』
ローズの声を聞いて思わず跳ねるように、ジョビーの手を引き準備の整った場所へと移動を開始する。
『すまないローズ、ありがとう。みんなも死ぬなよ?』
去り際に一言手短に頼りになる副官と部下たちに声をかけた。
『私たちが死んでもまた復活できますよ。それに死ぬのはお婆です!』
こちらは背中越しに心配ご無用と返事をして、お婆をくぎ付けにし、ジョビーの元に行かせないために。
『このワシの話を遮ってまで、副官の小娘風情が言うようになったじゃないか。あんたがどれだけの女になったか観てやろうさね。それと観客は多い方がいいのじゃが?』
お婆は遠回しに部下たちは動かかないようローズに求めてきた。お婆は弱い者いじめが趣味ではないのである。裏を返すとギャラリーたちが見守る中ローズを見せしめに、鼻っ柱を折るために一対一で締め上げる良い機会だった。
『あんた達手を出すんじゃないよ!』
ローズは部下たちの手前勇猛果敢な幹部である姿を見せねばならない。幹部の席は頭脳だけではなく武力も必要でなのである。こうして二人の戦いは始まった。
ジョビーとベルゼは本来なら歩かなければならない廊下を走っていた。誰かとぶつかるのは、ぶつかる方も、ぶつかられる方もお互いに危ない。それにツルっとこけたりしやすいのだ。それでも危険を冒して二人が走るのはこの長い廊下に二人の他にはいなく、いつ後ろからも危険が迫ってくるかわからないので走った。本当はダメだけど!
『ローズは大丈夫・・・です。』
心配してもどうしようもないのだが、思った事をベルゼは口に出してしまった。もちろん部下の心配を上司であるジョビーもしていて言わないだけで、心配だが今はなさねばならぬと葛藤していた。
『ベルゼよ、ローズの心意気を無駄にはできぬ、先を急ぐぞ。』
仲間を思う気持ちに感銘を受けながら上に立つ者の立場として、下の者の不安を払わなければならない。
『っは。』
ベルゼは短く答え気持ちを切り替える。
『それで?ローズはあの場所にと言っておったが、どこに向かうのだ?屋敷の中でやるのか?』
向かう先がまだわからないジョビーが質問攻めになるのも当然だと思いながら、手短に説明する。
『いえ、場所というか人間の相性・・・条件がありまして、そこに向かう、です。』
万が一お婆に悟られて追撃されぬよう、屋敷の反対側まで移動し、屋敷から低空飛行で飛び出した。向かう先は近くの人間の王国、ボランティーヱだ。移動を終え丁度人間たちが寝入る時間に現れた二人の悪魔に住人たちは気が付かない。二人はとある新婚の家の前までたどり着き、すぐ横には人が一人余裕で入れるほどの大きめの手入れされた井戸がある。家は細かな装飾さえもない素朴である。
『ベルゼ、この家に入るのか?』
悪魔の外見は人間と比べるとほぼ同格のサイズで、たまに3~4mほどがいたりもするが、この二人は前者である。よってジョビーは自然と人間の玄関に歩み寄りながら聞いていたが、ベルゼは首を横に振り否定し、こちらですと言葉を付けて横に移動した。
『ジョビー様、申し訳ありません、ですが、こちらから家の下まで入ってもらう、です。今では使われていないので、中の方は・・・』
ベルゼが案内したのは真下に伸びる大きな口を開けた、穴の入口だった。
『これは確か、人間でいうところの井戸だったか?』
今宵は満月で月明かりが十分に取れそうだが、ちょうど雲が月明かりを塞ぎ二人を目立たなくしてくれていた。ボロボロになって建付けだけはしっかりしたモノをよく見てジョビーが記憶の片隅にあったものを出した。
『はい、流石ジョビー様、です。ご存じの通り我々悪魔にはこんな場所に穴を掘ってそこから水を汲み上げることはしない、です。使い魔に川の水を汲んでくるように命ずるのですが、人間たちには使い魔の存在はいない、です。』
ベルゼは他の者たちとの交流はないが、一人の時間をこよなく愛し本を読むのが好きでそれが転じて、その分博識でもあった。その知識量はあの屋敷ではお婆に次ぐ次席ともいわれている。以前ジョビーがお忍びで人間たちを見かけたことがあり、その時に動物が一緒にいたのを思い出し問うていた。
『ん?人間は動物を従えていたと思うが、あれは使い魔みたいなものではないのか?』
その質問がトリガーとなり、ジョビーは人間の恐ろしさを知ることになる。
『はい、それは家畜、すなわち食糧でだったり装飾品や服装等に使うため皮や毛を剥いだり、高貴な者たちは道楽の一環としてペットという愛でる対象にしたり、必要に応じて売るらしい、です。』
ベルゼの話を聞いていたジョビーは徐々に顔面蒼白になった。
『悪魔みたいな存在だな・・・』
驚いた様子が楽しくて、古井戸の縁に足をかけたジョビーに追い打ちをかける。
『まだある、です。一部の動物は轡などを取り付け荷車に繋ぎ運ばせたり、またがって戦に協力させる、です。人間曰く共存の道らしい、です。』
なんだか自分の理想とした人間に転生するのが恐ろしくなってきたジョビーは、自分が今何の種族が分からなくなってきて、一筋の光が暗闇になりそうな気持になりながら真下に伸びる穴に向かって軽く絶望し一人叫んだ。
『我々って悪魔でいいんだよなー?』
大きな穴からは、しばらく反響したジョビーの声だけが残り、二人の姿は消えていた。
井戸の奥に侵入した二人の悪魔は夜目が効くので、井戸の周りの状況がしっかりと見えている。しっかりとしたつくりにはなっているが、虫が這いまわっていたりするので、直視しないように潜っていく、側面にはいくつかの大きい穴があるのが、それはジョビーの部下たちがいつか必要になるだろうと穴を一人通り抜けれるぐらいには開けて居たのだった。その穴の一つにさっきの家の下に続く穴があり先導をベルゼが行く。後を追って進んでいくジョビーはとても楽しそうな顔をしていて、今にも鼻歌を歌いだしそうだ。
『夜中にこっそりするのは、いくつになっても愉快な気持ちが込み上げてくるものだな、我が小さいときに屋敷の中を冒険したのが懐かしい。』
何処か遠くを見るように、ジョビーは前を行く背中を見ながら昔の話をした。
『ローズから聞いたことがある、です。ジョビー様は大変わんぱくで屋敷の倉庫に夜中に隠れようとして棚を倒して怪我して、最後はお婆に捕まってこっぴどく怒られた。という事をきいたことがある、です。他にも・・・とジョビー様ここですね。』
先を歩いていたベルゼの足が止まり、目的地に着いたことを教える。通路を抜けるとそこには五人が手をつないで輪を作れるぐらいには広がっており、地面の強度は大丈夫かなと思いつつ早速ベルゼが魔法陣を地面に書き出した。
『待っていろ、です。』
ジョビーは魔法陣を真剣に描くベルゼを見守って待っていたのだが、ついつい手持ち無沙汰になってしまい、いつものようにしゃべりだした。
『そういえば、あえて聞かなったのだが、聞かせてくれないか?この穴はどうやって作ったんだ?』
ベルゼは手を止めず眼だけをちらりと、向けると答えた。
『この穴は私とローズが主に設計してジョビー様のためにご用意した、です。ついつい穴掘りが楽しくなっちゃって、やりすぎた穴もありますが、どれも地上にある建物には影響が出ないように魔術で土の補強をしている、です。』
自分たちが広げた穴を自信満々に話しているうちに、恥ずかしい事を口走ったベルゼは、表情を隠すため穴の天井を見上げながらどの穴も、補強魔術はしてあるからと補足し魔法陣を描く手がいつの間にか停止していたので、再開した。それにと付け加える。
『ジョビー様が住まわれる家が我々の掘った穴で崩落してしまうのは論外だ、です。念入りに補強はしてありますのでご安心してくれ、です。ジョビー様そこに立ってくれ、です。』
ベルゼの指示に従って魔法陣のもとに向かいながら、現在の進行状況の確認を行う。部下に任せているだけでは上に立つものとしての威厳が損なわれてしまうので、ジョビーは適度に確認行う。
『さて魔法陣が完成したのか?』
『ええ、あとは詠唱を行えば発動する、です。心の準備はよろしい、ですか?』
こういう時どういう顔をしたらいいかわからないベルゼは、不安が隠せないまま確認をする。
『しばらくのお別れだな。みんなによろしく伝えてくれ、、、またか!?そんな顔をするなよベルゼ。笑って見送ってくれないか?それに心の準備はできている。やってくれベルゼ!』
ジョビーは振り向き際にベルゼが泣きそうな顔をしていたのでギョッとなったが、自然と笑みがこぼれたベルゼは笑って詠唱に入り、先ほど作った魔法陣に手を当て唱えだした。
『黒より混沌に包まれしものよ、その者の身体を贄とし魂を吸い出せ!ソウルトランスポート!』
ベルゼの詠唱が始まると同時にジョビーの身体に異変が起きた。全身から薄く白い光が点滅し蛍のように発光していた身体は次第に、白一色になりベルゼの影すらも消えた途端、ジョビー身体を中心に光っていた場所には何も残っていなかった。無事に身体から魂が抜けいつもと違う五感がジョビーを刺激する。
『ふははは、わかるわかるぞ!』
魂だけとなったジョビーは理解する。魂の鼓動が高鳴り今ならやってはいけない事が堂々とできる。そこでベルゼの忠告が入る、興奮していたジョビーは我に返り、ベルゼの言葉を待つ。
『ちょっと待ってください、です。ジョビー様。魂となったジョビー様は肉体を持つ我々と話をする手段が無いのと同じで、こちらからも魂とコンタクトはできない、ですが、五感は残っているはずなので、言葉は通じていると思う、です。』
魂のみとなったジョビーは野望の一つである覗きをしに行こうと、地下から地上に向かうところで止まって話の続きを待っている。今か今かと。
『まだ、そこにおられると思いますが、魂のままその辺をむやみにうろつくと黒装束の死神に魂を回収されて、ソウル・ソサシティで成仏してしまったり、回収されなくても、地縛霊となり妖怪になるので、気を付けてくれとローズがお婆の書籍を観ながら言っていた、です。』
話の途中から徐々に肝を冷やし始めたジョビーは話が終わると急いで上にある家に向かった。野望の一つをあきらめて、怖い忠告を受けて涙目になりながら、母体に取り込んでもらうために早く転生しようと急いだ。
一方儀式を得て誰も今度こそいなくなった場所で、ベルゼは内心天井の向こうに消えていったであろうジョビーに謝辞を入れる。
『どのような方なのかは最後の最後まで理解はできなかったな・・・本当の意味で理解しているのはローズだろうと思う、本来なら魂のみとなったモノは自由なのだ、何をしようと誰も咎めることができない。例え覗きをしようが、魂のまま世界一周してもタイムリミットはないのである。だから魂となったからにはあの人は天国にでもいるように自由に永遠と遊び続け、腑抜けになり我らの信じた主が消える。こうでも言わなければある意味、いつも振り回された私の仕返し、です。』
『新婚さんの新居にお邪魔しまーす♪』
無事にココロオドル魂となったジョビーは床の下からヌルリと現れていた。改めてコッソリ忍び込み夜中にコソコソするのはどんな姿になっても楽しいものだと痛感する。1階の各部屋を見たが、玄関、LDK、浴室、それと階段があったぐらいで人間の発見にはならなかった。
『ふむ、2階か?には部屋があるだろう。』
階段の前まで移動したジョビーだったが、うまく階段を上がることができずにいた。自分の身体がすでに生贄となって手と足がないことを思い出し、先ほどの地下から上がってきたイメージを練る、すると階段を上がり2階の廊下まで移動ができたので、内心ガッツポーズをとる。
『よし!何とかなった。扉があっても触れないだろうから、突っ込んでみるか。』
廊下にはいくつかの部屋があり扉にはネーム入りのカードがぶら下がっていた。近くの扉まで移動して凝視しながらつぶやいた。
『アデーラ・・・の部屋か』
もう一つ隣の扉には
『ライトニー・・・』
ライトニーは男だよなと胸中でつぶやくと、アデーラの扉に突っ込んだ。部屋の中に入って周囲を見渡しベットが一つあった。そこには肩まで布団を被りスースー寝息を立てる金髪の女が眠っていた。迷える魂となることもなく母体となる人間を発見し、近づいて顔を覗こうと近づいていった。
『どれ、我好みの顔だとい・・・ふんごぉ~~』
ジョビーの魂に異変が起きていた。先ほどまで自由に動くことができていたのに、動けない、否。吸い寄せられている。反射的に抵抗したが瞬く間にアデーラの腹部へと吸い込まれ、その魂は深い眠りについた。
やっと本編に入ることができるのですが、いったいぜんたいどこから次回作をすすめるか、つなげるかうまくつながるといいな~
あと、私事で関係ないんですが第三子が産まれましたので、執筆遅くなるのごめん。って先に言い訳しておきます(笑)我が子をネタにできたらいいな~とも考えたりもしますが、はてさて収集はつけれるのか、乞うご期待