冤罪令嬢2
「私が討伐したロックリザードの上位種のドロップから作った『宝竜石』のブローチを自分の物と言い張る冤罪令嬢さん、この価値を分かって仰ってるの?」
「あっ………ぅ」
公爵令嬢は、威圧に耐えられずに座り込んだ。
そこに、本日の夜会を主催してくれたチャンゴ国の王太子と令嬢の親公爵が呼ばれてきた。
別室に移動させられたので、一緒に放り込まれた公爵令嬢を威圧しながら自動筆記ペンで被害者リストを作ってる。
情報と証言を集めて打ち合わせして来たであろう王太子と親公爵が再登場してきたけど、出鼻を挫くよ!
「こちら、今までそちらのご令嬢が冤罪をかけたり嘘を吐いて取り上げて奪った物と被害者のリストです。これを見ると、5歳からの常習犯ですわね?」
「ここまで酷いとはな。今まで被害届は出ていなかったのか?」
宰相閣下もリストを見て顔を顰めて、やっちまえって合図をくれたから共犯だよ!
「公爵、これは把握してない方がおかしいぞ?」
「こんなに…?いくつかはプレゼントされたと聞いた品です…嘘だったようですが」
王太子はリストを見て愕然としてから顔を顰めた。
公爵はいくつかは知ってたけど抗議が来ないから放置してて、後は本当に知らなかったらしい。
無能なんだな…ドンマイ。
「ご令嬢は隔離して内職でもさせた方が宜しいのでは?人から奪うことに快感を覚える性癖があるようで、最近では物に限らず、人の婚約者や恋人を略奪してポイ捨てする悪癖まで身に付けてますわよ?」
「「は?」」
「こちらが関係を壊したリストです。まだ数組ですが、態と一緒にいるところを数回目撃させて、女性側が本格的に動く前に相手を捨ててます。短期間で証拠が揃えられず、お相手の女性が泣き寝入りしてるのでしょう」
こっちは本当に知らなかったらしく、公爵は娘を信じられない目で見てから睨みつけた。
「はぁ…公爵、陛下に許可を貰うから、令嬢は領地に隔離してくれ。今回のだけでも国際問題だ。諦めろ」
「…はっ。申し訳ございません。ローランド侯爵令嬢にも謝罪いたします。申し訳ございませんでした」
「頭を上げてください。謝罪は受け取ります。それより、私への冤罪は公で晴らして頂けますの?」
一応、公爵令嬢をやり込めたところを見せてるけど、しっかり冤罪だったって公表して貰いたいよね。
変に噂が回って誤解されたら嫌だし。
「もちろん、彼女への処罰と共に公表させて頂く。その見事な宝竜石のバイカラーが持てるような家門は我が国にはないしな」
「ブラックダイヤモンドとゴールデントルマリンのバイカラーは今まで見つかっていないので、探しても手に入らないでしょうな」
宰相閣下、詳しいね?
もしかして欲しかったのか?
「見つかっているバイカラーは、サファイアとダイヤモンドのバイカラーが多いはずだ。色も数種類あったと記憶しているが、その様な配色は見た事がない。こんな問題が起きなければ、王太子妃と共に鑑賞させて貰いたかったよ」
「普通のバイカラーの宝石でさえ少ないのに、この大きな宝竜石のバイカラーを自分の物だと言ったとは…育て方を間違えました…」
公爵、早く娘を矯正するべきだったね?
しかしまあ、令嬢についてる専属侍女が報告上げてないんだよな〜
おこぼれ貰って黙ってる嫌な奴だしチクってもいいんだけど、そいつを雇用したのも公爵だから何とも言えないのよね〜
帰ってちゃんと調べてくれることを祈る。




