冤罪令嬢
「そのブローチは私のモノですわ!アナタ、盗んだのね!酷いわ!」
他国に行くには国力の差を見た目でわからせる必要もあるのねーと、ここ何回かの外交で理解したのでアクセサリーに力を入れてみたらとんでもない奴が釣れた。馬鹿か。
「さっさと返しなさいよ!」
ちょっと目を細めて魔力で威圧してやる。
顔色を変えたけど、もう遅い。
「私はこの国の者ではありません。今まではそうやって冤罪をかけて他人から奪っていたのでしょうが、今回は無理ですわよ」
鑑定してみたら、この国の先王弟を祖父に持つ公爵令嬢だった。どんな教育したらこんな馬鹿に育つんだ?
手慣れてるなと思ったから鑑定かけたら、情報量にクラっとくるくらいの前科持ち。よし、潰そう!
「ローランド侯爵令嬢、何があった?」
宰相閣下ってやっぱりいい上司。
異変に気づいて、外交官も連れて登場だ!
やっちまおうぜ!
「こちらの令嬢に冤罪をかけられましたの。私のこのブローチが彼女のモノだそうですよ」
「ほう?この国の国家予算より高価な宝石をただの令嬢が持っていたと?」
「さあ?買えるなら売っても良いですけど、無理では?」
「だろうな〜。こんな見事なバイカラーの宝竜石は我が国の王家にあるのも、ローランド侯爵令嬢が討伐して献上したティアラしかないぞ」
ええ、ええ。私が献上したティアラですね!マリアンヌ様にめっちゃ喜ばれてほっこりしたよ!
王妃様にも別の宝石で献上したら感謝のお手紙貰いました。
本当はお茶会したいけど、呼んだら目立っちゃうからせめてって、王妃様のお気に入りの茶葉とお手紙を贈ってくれた。優しいー!気遣いが素敵!
鉱石を食べるロックリザードと言う魔物がいるのだけど、食べた鉱石を融合させて巨大な鉱石にして背中から生やすらしい、謎生物だ。
体内で錬金術でもしてるのか?
まあ、そんな生態の野生のロックリザードは、見つけたら鉱山の発見と共に討伐されるから、もう地上には滅多にいない。
過去に討伐されたロックリザードの鉱石で希少な物は、だいたい王家に献上されて国宝となっている。
献上される程の宝石は『宝竜石』と呼ばれ、普通の宝石とは一線を画す。
不純物のない完璧な融合をした巨大な宝石の為、『宝竜石』は、だいたい王冠や王錫等に使われる。
我が国の王冠も、宝竜石のエメラルドとダイヤモンドが使われている。
滅多にでないバイカラーやパーティーカラードなどの美しい『宝竜石』は、女性王族に大変人気があるが、小さめの物でも数百億ゴルの値がつく。
そんなロックリザードの上位種を、他国の高難易度ダンジョンで倒したら、めっちゃデカい『宝竜石』が数種類ドロップしたんですよ!
サイズや融合した種類によってはハズレ扱いになるんだけど、大当たりしたのです!
しかも、その内一つが黒と黄金色のバイカラーの宝石!クリス様の色!
何食べたらこんな素敵な色になるの!?
あ、これは運命だわとブローチにしたよ!
カラーゴールドかミスリルゴールド狙いだったけど許す!




