ネタバレの鑑定さん
また誘拐事件の時の被害者の一人のいる国に来ています。
オッタニール王国は大陸の北東にある国。
誘拐組織の行動範囲、広過ぎでは?
まあ、アッシュフォードみたいにその辺に貴族が歩いてるわけないし、一人攫ったら次の国に移動とかしてたんでしょう。
アッシュフォードの子爵令息は、本家の伯爵令息の真似して、家を抜け出し一人で領内をウロウロして攫われてた。
馬鹿かな?
最初は無謀な家出だと判断され、身内で近隣の捜索だけしていて初動が遅れたのだ。
家に戻った子爵令息はめちゃくちゃ叱られて、本家からは今後一人でうろつけるようにと騎士団にいれられて鍛えられている。
オッタニールの王様から、訪問のついでに見て欲しいって、国宝のエメラルドのネックレスを見せられた。
記録では初代王妃のネックレスの筈なのだが、初代国王の肖像画に度々描かれているので、記録間違いか確認できないかってさ。
『初代国王フェリクスのネックレス』
希少なノンエンハンスエメラルドとダイヤモンドのネックレス。
専用の宝石箱にネックレスを収めた状態で、宝石箱の外装にある光輝石に魔力を注ぐと隠し文字が浮かぶ。
隠し文字のヒントから城内の5ヶ所のヒントを辿ると蒼の離宮の四阿に辿り着く。
柱の仕掛けを解除すると、フェリクスからの手紙とゴールデンサファイアの指輪が出現する。
生前のフェリクスは結婚50周年の記念に、気合を入れたプレゼントを用意したが、渡す前に恥ずかしくなりプレゼントを仕舞い込んだ。
死期を悟り、自分の死後に思い出の場所を辿るサプライズプレゼントにして喜ばせようと計画。
遺言でこのネックレスと宝石箱は初代王妃ラーザリ個人に贈られたが、彼女は宝石箱に入っていたメッセージカードの謎掛けをスルーし、宝石箱の仕掛けに気づくことなく亡くなり、王家の宝物庫に戻された。
手紙と指輪は未だ発見されていない。
流石、鑑定さん!ダイレクト解決!
謎解きが始まらなかった!
え、でも、これ、ネタバレしていいの?
初代国王のサプライズプレゼントは、初代王妃に宛てたメッセージカードがないと見つけられない気がするからいいのかな…
「こちらは初代国王フェリクス陛下のネックレスでございます。フェリクス陛下の死後、遺言で初代王妃ラーザリ殿下に贈られましたが、ラーザリ殿下の死後に王家に戻されたので、記録は初代王妃となられたのかと存じます」
「なるほど、最初の記録が消えていたのだな」
「後、大変申し上げにくいのですが…ラーザリ殿下にフェリクス陛下の意図が伝わらず、宝石箱の仕掛けが未発見だったようです…」
「ほう?どの様な仕掛けだ?」
「本来は謎掛けのメッセージカードがあり、読み解くとネックレスを入れた状態で宝石箱の光輝石に魔力を注ぐことになり、そこでまたヒントが出て次に進むことになります」
「それは面白そうだな!」
「はい。フェリクス陛下が死後もラーザリ殿下を喜ばせようとしている素敵な仕掛けです」
「む?未発見と言っていたな」
「…はい。ヒントを辿るとお二人の思い出の場所を辿ることになり、最後にサプライズプレゼントが発見される筈でした」
うぅ…陛下の顔が何とも言えないお顔になってる!
他の人も、あっ…察しって残念なお顔!
犯罪者相手のネタバレは罪悪感ないけど、このタイプのネタバレはいやじゃー!
「蒼の離宮にプレゼントと手紙が残されてる様なのですが…」
「案内しよう」
フェリクス陛下のプレゼントと手紙は回収された。
柱の仕掛けを解除した時はおおっ!と盛り上がり、手紙と素敵な指輪を確認した後にはしんみりした空気が流れた。
結果、とっても感謝されたので良かった!




