あるある話
「婚約破棄する!」
王家主催の他国の来賓がいる夜会でアレやっちゃうとか反抗期のレベルじゃねぇ!
思わず、案内についてくれてた若い公爵夫人に感想を漏らしちゃったよ。
学園の反抗期劇場を観てる感覚だった。
アレ、皆好きに感想言うから面白いんだもの。
「王家の夜会でやるなんて凄いですね!アレ、家が不正でもしてて息子が家を潰しにかかってるんですかね?婚約者の家は無関係だから今の内に絶縁しとこうみたいな愛のなせる技?」
「い、いえ。あちらの婚約は王家が指名した国家事業の為の政略結婚の筈です」
「うわー、反逆でも企てちゃったのかな?家が潰れたら損害の補填できないから、婚約破棄で慰謝料と賠償金を先に受け取れ!って感じ?男気ある〜。あの腕にぶら下がってる令嬢は役者?それとも反逆仲間の娘を道連れ?」
「彼女は確か、数年前に伯爵家に後妻に入られた方の連れ子だったかと…」
「へえー。よく物語である、愛人が後妻で娘が庶子ってやつだったりして?」
「何故そうだと?」
「いやー、だってあの高価なネックレスは連れ子に与えないでしょ〜?伯爵家の初婚なら高位貴族でしょうから、あのネックレスは前妻の形見の品を前妻の娘から奪ったんじゃないかなーって」
「確かに前妻の方は侯爵家の出ですわね…」
「ああ、それって前妻の娘が引継ぐ母の遺産を使い込んでるやつですね!お金がないから、庶子は姉のお下がりで十分だと、庶子の娘を唆して姉から奪わせて節約してるんじゃないですか?」
「まさか、そんな…」
「いやいや、愛人の時は安物で済んだけど、後妻にしてみたら贅沢できると思ってはっちゃけられちゃって想定以上にお金使われたのでは?持参金もない上に、高位貴族だった前妻みたいに家の事も満足にできない後妻と娘になんてあまりお金使いたくないって後から気づいちゃったのかも?」
「再婚した頃はかなりの品を購入した噂がありましたが、最近は聞きませんわね…」
「前妻の遺産使い切ってそろそろ限界で、庶子の娘を唆して高位貴族の坊っちゃんにハニートラップでも仕掛けたのかな?あーでも国家事業が絡む王家指名の婚約を潰したら反逆罪になるか。庶子の娘が父親を恨んでて復讐してるパターンかな」
「なんとおそろしい…」
「反抗期って凄いですよね〜。周りが全く見えなくなって、自分が正しいって思考になるらしいですよ?ボク、ワタシが物語の主人公!って。まあ、だいたい黒歴史になって、もっと上手くやれたハズって後悔するみたいですけど」
物語のあるある話を語っていたら、いつの間にか、関係者は捕らえられてどこかに連れていかれた模様。
ゾネブルー国で昼間に授与式で勲章貰って、今は歓迎の夜会の最中だったんだけど、私の婚約者が年上と知った王様が、ちょっと欲を出して若者を多めに夜会に呼んだら大失敗!
強欲は身を滅ぼすって本当だね〜。
国家事業を任せるくらい信頼の厚いお家だったのに、処罰しなきゃいけなくなるなんて。
夜会でのやらかしじゃなければ、思春期の息子の病気療養という名の蟄居くらいで誤魔化せたかもしれないのに。
息子さんは婚約破棄され、ほぼ王命の婚約に逆らった責任を取り家の爵位を落として当主は親族に交代となった。両親共々領地で平民として暮らすそうな。
婚約破棄されたお嬢さんは別の家が国家事業に指名されたことで、別の人と婚約が決まった。
次のお相手は、親の病気で仕事に追われて婚期を逃してた誠実な人らしい。良かったね!
後妻の娘の家は、養子縁組を解消し、当主を前妻の娘に交代する事で家への処罰はなくなった。
本当に前妻の遺産を使い込んでたんだって!
両親と後妻の娘は遺産の使い込み分を返済する為に強制労働所送りになったらしい。ハニートラップでも復讐でもなくただの浮気だったのか。ガンバレ。
結果報告してる時の王様、この短時間でちょっと老けてた。
まあ、身から出た錆ってヤツだね?ドンマイ!
私がクリス様と別れるなんてある訳ないのにね!




