違法薬物5
お疲れの宰相side
王太子の件でも子供が犠牲になることに怒りを覚えていたようだが、性犯罪にヒプノーを使っていた購入者が他にもいた為、イザベラ嬢がブチ切れた。
素行が悪く爵位継承から外された長男を、何故早々に排除しておかなかった。
ヒプノーの購入代金を、犯人の母親が強請られる侭に渡していたと知ったイザベラ嬢は、母親も拘束した。
犯罪幇助で裁けるか微妙だが、気持ちはわかる。
金がなければ、一発極刑の犯罪者になんかならなかっただろうに。
ゾネブルー国に行った部下が内密に謁見したところ、宮廷医の親戚にステーン姓の人物がおり、関係者か確認して欲しいと連絡を貰った。
ブチ切れのイザベラ嬢はそのままクリストファーと一緒に向かい、ニコ・ステーンを探し出し、犯罪組織のヘレントーレを壊滅させた。
ニコ・ステーンは宮廷医の遠縁で、領地の薬草園の管理者の孫の一人だった。
成人後に行方知れずとなっていたが、犯罪組織で薬の調合や研究をしていたらしい。
イザベラ嬢は宮廷医の無実を確認後、王都でヘレントーレに接触したことがある者を探し出し、確認できた拠点を次々に潰し、ニコ・ステーンを捕縛。
ヘレントーレのボスを生け捕り、ヒプノーの販売先を特定、ゾネブルー国内に保管されていたヒプノーを燃やし尽くしたと報告された。
後始末の為に残っている部下は、帰国後に労おうと思う。
他国に散っている構成員もわかったので、各国に連絡をし、一斉摘発が行われた。
持ち出されたヒプノーの個数もわかっているので、全て回収されるだろう。
イザベラ嬢には、ベルク王国とゾネブルー国から勲章が贈られることが決まった。
誘拐事件解決の時は各国からの褒賞は断ったが、流石にヒプノー撲滅の功労者に何もない訳にはいかない。
アッシュフォードも、被害は少なかったが潜在危険度はかなり高かった。
こちらも勲章が出されるだろう。
「只今戻りました〜」
「おかえり。少しは落ち着いたか?」
「あっちで暗殺者何人か捕縛するのに戦ったので大丈夫です!」
「クリストファー?」
「尋問で虐めてました」
「…なるほど」
「皆さん良いリアクションしてくれましたね!」
「拷問より怖かったそうです」
「何をした!?」
「質問しただけですよぅ」
「質問…?」
絶対にアレだ。
質問しながら秘密を暴いて煽り倒すヤツだ。
素性不明の暗殺者なのに、笑顔で本名から何から何まで暴かれて自害も許されないってところだろ。
そりゃ拷問より怖かったよな。御愁傷様。
「まあ、いい。流石に今回の事は他国も絡むし、授与式が行われるだろう。準備しておくように」
「えっまた勲章ですか?」
「そう言うな。他国から勲章を贈られるのにアッシュフォードが何もしない訳にはいかないだろう」
「はい!承知しました」




