思春期も許されない
お久しぶりの更新です!
「イザベラ様のお肌は本当にお美しいですわね」
「失礼ですけど、触ってみたいです」
「私、最近すぐ乾燥してしまうのが悩みで」
「訓練で手荒れが酷くて」
とりあえず、使ってる化粧品を流通させることをそろそろ検討しようかな。
色んなダンジョンで手に入れた素材でオリジナル化粧品を自作して使ってるんだけど、女性達の追及に疲れてきた。
自作してるってバレたら怖い!
まあ、自画自賛するくらいにお肌キレイだけどね〜
毛穴レスでもちふわ美白!
クリス様は未だにお膝に乗せてくれるので、至近距離からの視線に耐え得るお肌を目指してるよ!
レシピはどこに売ればいいかな?
お母様に相談だ!
でも、育毛剤作成中にうっかりレシピが浮かんで興味本位で作った『永久脱毛剤』はなかったことにします。
強力過ぎて、ウッカリしたらもう生えてこないからね!クレーム怖い!
最初は、産毛もなくなってツゥールツル!って喜んで全身に塗ってたんだけど、顔で失敗して眉毛が少し短くなってからは上がり過ぎたテンションが落ち着いた。誤魔化せる程度の失敗で良かった…
お気に入りの、垂れ目に見えるくらいバッサバサの睫毛がなくなってたらと思うと、後からガクブルだったよ…
なにも、この年頃で拗らせるのは男性だけではない。
「ハリー様!私以外の女性とお話するなんてヒドいです!」
クラスメイトと話してた男性に、他クラスの婚約者が突撃してきた。
ハリー君の腕を引っ張り胸に埋めて、上目遣いで抗議しているが、瞳孔が開いているので、されているハリー君はドン引きである。
たまにいるよね。
婚約者ができてから、バグったのか言動がおかしくなる令嬢。
そういう令嬢は何故か、恋愛小説で同性から嫌われるけど男性ウケがいいと思われてるヒドインのようになる。
無知なお花畑令嬢よりは改善の余地があるが、短期間で黒歴史を量産するので、早めに止めてあげましょう。
「エリン様、こちらへ」
有志の令嬢数名で、黒歴史量産令嬢を連れ出す。
同年代でSランク冒険者は私だけなので、力負けすることはない。
抵抗されようが、ガッと肩を掴んで引き摺りだす。
「なんですの!?」
「先程の貴女の言動が見苦しいことは理解できていますか?」
「え?」
「腕を胸に抱き込むなど、淑女がして良い行動ではありません」
「だっ…」
「近距離で、婚約者に上目遣いでお話するのも、公然として良い仕種ではありません」
「でっ…」
「婚約者に大声で話しかけるのは失礼です」
「うぅっ…」
「そもそも、人と話しているところに突撃するなんて論外です」
「あっ」
「婚約者ができた事で悩みがあるならお伺いしますから」
「…」
「これ以上、黒歴史を作るのはお止めになって?」
「………くろれきし?」
うん、学生のイチャイチャって言っても所詮貴族だからさ。
ベンチで隣同士に座って頬を染めたり、廊下をエスコートしながら微笑み合ったりのあまーい空気程度ですよ!
ダンジョンデートの時くらいは、恋人繋ぎでウッキウキとかあるけども。
初キスでキャー!ってなるような初心な感じがほとんどです。
婚約者の腕に絡みついて胸を押し付けるなんて、はしたない行動ととられます。
しかも、それを公衆の面前で行うとか、痴女かと疑われます。
「クラスメイトと話していただけで、嫉妬して抗議するなんてありえませんわ。いくら独占欲が強くても、社交する夫を非難する妻なんて存在しませんわよ?」
「なんの小説を参考にしたのかわかりませんが、エリン様の言動は間違ってますわ!」
「正統派ヒロインならまだしも、何故ヒドインを真似してしまったの…」
「このままですと、最悪は婚約解消ですわよ?」
「今、過ちを認めなければ、社交界で笑われ者確定ですわ」
「婚約者ができてちょっと浮かれてしまっただけなのでしょう?淑女教育は思い出せましたか?皆様にちゃんと謝れますか?」
「………はい。皆様、申し訳ございません。少し一人になって反省して参ります」
ハッハッハ!皆様、容赦ないね!
エリン様ドンマイ!
教室に戻って、心配顔で待ってたハリー君に皆でいい笑顔で親指立てたら、めっちゃ深々と頭下げられたよ。
ハリー君てば良い子!幸せになれよ!




