鑑定の暴力
先日の婚約破棄の彼は、ダンジョン攻略の時に先輩に教えられた娼館のお姉さんにハマっちゃったらしい。
外出届はダンジョン攻略なのに娼館に入り浸り、婚約者との交流はブッチして、個人資産はスッカラカン。
そこで諦めれば良かったのに、親に贈られた武器売っちゃって、隠し家紋が入ってた為に家に報告され、調査後に見捨てられたらしい。
下半身に乗っ取られるって本当にあるんだねぇ。
色恋営業こっわー。
娼館は浮気!なんて言うつもりはなかったけど、割り切って利用できない人はいかない方がいいね。勉強になった。うむ。
「私、クリス様を信じてます」
「いやいやいや、行かないよ!?」
今日は、宰相閣下のところで鑑定のお仕事。
国外に行かない代わりに、鑑定して欲しい物が送られてくるようになった。
まあ、内密に荷物持ってきた使者の方も鑑定して欲しいなんて話もあったりする。
宰相閣下、他国の権力者のお友達に相談され過ぎでは?
と思ってたら、サティラス王国の王様が愚痴ついでに私のこと漏らしてたらしい。
醜聞ちゃんと隠せ?!
ランチをする為にクリス様と王城の廊下を歩いてたら、前方からきた男性が声を掛けてきた。
「やあやあ、クリストファー久しぶりだね」
「ああ、エルナンか。久しぶり」
【エルナン・ゴドフロワ】
伯爵家当主 カツラ
「ゴフッグッ…」
鑑定さーーーーん!?
今日に限ってなんでそこ出した!?
「イジー大丈夫?」
「…大丈夫です」
「こちら、私の婚約者のイザベラ・ローランド侯爵令嬢だよ」
「これはこれは、ローランド侯爵令嬢初めまして。エルナン・ゴドフロワです。クリストファーとは同級生なんだ」
同級生!?
クリス様の頭に視線が行きかけたけど、なんとか顔で止まった。
「見えないかい?まあ、私はもう三児のパパだからね〜。クリストファーは若々しくて羨ましいよ」
「変わらないと思うけど…エルナンは父としての貫禄が出てきたんじゃないか?」
「失礼しました、クリス様の同級生の方と初めてお会いしたのでビックリしたのです」
はあー、そうよね。
クリス様の同級生なら、既に三児のパパもあり得るのよね。
でも、カツラは予想外だったわ。
クリス様と同級生って情報を先に欲しかった。
後で鑑定の改良できないか試しましょう。
「結婚式には呼んでくれ」
「ああ、わかったよ。ありがとう」
クリス様と少し話して、ゴドフロワ伯爵は去って行った。
「イジー、おまたせ。何かあった?」
「いいえ、ちょっと人見知りしただけですわ」
帰ったら育毛剤入りシャンプーの開発をする!
早めのケアって大事だもの。うんうん。




