反抗期も許されない
学園で半年程経つと、ぼちぼち周囲の婚約が決まってくる。
アッシュフォードでは、幼少期の婚約は殆どない。
私みたいに学園入学前に婚約する者も一部だけだ。
婚約が決まるのは、大体が冒険者ランクをBまで上げていて、授業の免除をある程度とった子だ。
婚家も協力して、卒業までに冒険者ランクをAまで上げさせるのだろう。
婚約相手を探す学生達も、情報収集に余念がない。
戦闘訓練でギラついてた視線は、獲物を物色してる視線だったらしい。脳筋だからだと思ってたよ…すまぬ。
なんだかんだ、学生の内は真面目に活動してる人が多い。
学園卒業と冒険者ランクをAまで上げるという目標がしっかりあるからだろう。
当主になってから、拗らせた大人が権謀術数を覚えてやらかすのだ。権力とはげに恐ろしい。
今更知った事だが、子供達の同世代の家に間者を送る家、多過ぎでは?
結婚相手に相応しいか調べるのにそこまでするのかー
我が家で捕まえた間者にも居たんだろうね。知らんけど。
学園入学前に婚約公表しといて良かった。
それでもまだ、私を狙ってる人いるみたいだけど。
んー、お兄様の調査の時に、ついでに私も調べられて目をつけられたのは知ってる。
国内外の釣書送ってきてた家の親達は、クリス様との婚約に宰相閣下が絡んでると知ってるから諦めたはずなのだけど。
見た目が好みってだけで近付いてきてるみたい?おバカさんはどこにでもいる。
アッシュフォードの結婚適齢期は、18〜22歳。
15歳で結婚予定の私はかなり早い方だ。
普通は学園在学中に婚約が決まり、2〜5年の婚約期間で婚家と交流することになる。
男性は殆ど高等学院に行くから、年下の女性を狙ってる家も多いらしい。
家同士の事業の絡む政略結婚ももちろんあるけど、どこの領地もダンジョンがあるからそこまで困窮している家はない。
だから、婚約者は能力重視になる。本人達の相性もそれなりに考慮されるから、離婚や婚約解消はほぼ無い。
父と母みたいに、学園では交流なかったけどダンジョン攻略中に出会って意気投合して結婚するカップルもそこそこいるらしい。
あっちこっちで学生の婚約者同士がイチャイチャしてる。
いいなー!私もクリス様と学園でイチャイチャしたかったなー!
放課後デートうらやますぃー
「婚約破棄だ!」
まあ、学生だから、反抗期を拗らせた馬鹿がたまに現れる。
「ウゼェ。家でやれよ」
「ホントそれ」
「パパに言えばいいのにね〜家同士で契約してるんだから婚約者に言っても意味ないし」
「あいつ弟いたよな?」
「病気療養になって婚約者挿げ替えかな?」
「まあ、ここで騒いだ時点で頭の病気か心の病気だよね」
「種無しになる薬ツライらしいよ〜」
「あいつ一週間くらい寝込んだことなかったっけ?」
「「「アッ…」」」
「もう盛られちゃったか」
「下半身管理できないタイプだったか」
「卒業まで放置しようとした結果」
「卒業前に蟄居決定?」
「「「うわー」」」
外野が辛辣ぅー!
食堂で騒ぎを起こしたのが運のツキ。
痴話喧嘩かと思ったら、もっと深刻でした。
翌日には彼の姿は学園から消えていた…




