デートすらままならない3
隠れない筈だよ!
ロイスからしたら、進化させた隷属魔術を施した自分の奴隷とお出かけしてるだけだった…!
裏組織のこともロイスは普通の奴隷商人だと思ってるし、闇オークションは奴隷商人に勧められた特別なオークションだと思ってる。
ちゃんとお金払って買った奴隷だと思ってるから、誘拐された被害者なんて知る筈もない。
13歳で出奔してるから、常識が足りてないんだ。
隷属魔術の魔導具だから奴隷商人に売れるだろうって
話を持ち掛けたんだろうが、正規の奴隷商人は国が管理してる魔導具しか使ってないよ!
人嫌い過ぎて大通りのお店避けて、裏通りの怪しい奴隷商人に偶然行き着くとか…ついてなさすぎじゃね?
ロイス、傀儡魔術を作り上げた天才だった…
そして、無自覚犯罪者。
えー…アッシュフォードで保護するべき?
うーん、このままだと帝国で犯罪奴隷にされちゃう気がする。
アッシュフォードは奴隷制度がないから、隷属魔術かけて研究させるとかできないし。
ロイス達が宿に入ったのを確認し、マーキング魔法を創って施してからアッシュフォードに帰国。
さっさと魔法創って帰れば良かった。無駄に悩んじゃったぜ。
さあ、宰相閣下ー!お知恵をー!
「被害者については詳細は伏せたまま各国に連絡して、アッシュフォードが保護することで同意させた。傀儡魔術については秘匿してる。追加で貰った報告を読んだが、ロイス・ナッテと傀儡魔術はやはり口外はできないだろう。危険過ぎる」
宰相閣下の眉間がしわっしわ。
そうだよね〜危険だよね〜
「傀儡魔術をかけられてる間の記憶はあるの?」
「ないですね!あったら拷問に使えそうですけど」
「おい!怖ろしい事を言うな!」
「閣下、記憶がないなら被害者は保護した後に帰国させられるのでは?」
「あ、確かに。隷属魔術の書き換えされた時点で記憶が途切れてるはずです」
「お?被害者の問題は片付いたか。問題はロイス・ナッテの保護か」
あ、やっぱり保護になるよね。
傀儡魔術の存在がバレたら、ロイスは狙われ続ける。更に不幸になっちゃいそう。
「禁術を封じる魔導具でも作ります?」
「できるのか!?」
「精神干渉系の魔術を指定して作れば、傀儡魔術も使えないかと」
「それなら、放置することもできないし、魔術研究室に在籍させるか」
「ローランドで保護してもいいですよ?」
「イジーが面倒見るの?」
クリス様の眉間もしっわしわ。
嫉妬ですか?ヤキモチですか?むふっ
「こら、イチャつくな。ローランドで何させる気だ?」
「魔術や魔導具の研究してる分家で仕事させようかと。後、ロイスはお友達を欲しがってる癖に人間不信を拗らせた人なので、頭のいい脳筋共なら付き合っていけるかもって思いまして」
「ああ、冒険者ごっこをしてるのだったか。ローランドなら研究者も素材集めにダンジョン潜るくらいするか」
「はい。研究仲間と冒険者ごっこして満足してくれるかなって」
「今後狙われることは確定してる訳だし、ローランドで保護するのは有りでは?」
「確かに王宮だと素性を知る者が増えて情報が漏れる可能性もあるし、内密にローランドで保護する方が安全かもな」
宰相閣下が迅速に動いて、ロイス・ナッテの保護の王命を出して貰い、ローランド家に帰宅して父母と話し合った。
ちょっと呆れられたけど、分家にも話を通して受け入れ準備は整った。
翌日、ロイスのいる宿へクリス様と向かい、ロイスと面会した。
こちらを警戒してかなり挙動不審だったロイスは、話を聞いて顔色を悪くして気絶した。
知らぬ間に凶悪犯罪者になってたら、そりゃー驚愕するわな。
大人しくアッシュフォードまで連行されたロイスは、被害者たちを解放してから、ローランドの分家で逞しく生きた。
半年くらいは塞ぎ込んでたけど、悪辣な人がいないローランドはロイスが望んでいた環境だったらしく、面倒見の良い同僚たちと楽しく研究してダンジョン潜って平和に暮らした。
傀儡魔術は葬られ、二度と被害者は出ない。
めでたしめでたし




