デートすらままならない
噂の伯爵子息は退学した。そして、除籍されたらしい。
言い寄られた分家の子が親に話し、親が本家に報告したことで、各家の夫人達が動いた。
私の話も一緒に広まったようで、危機感を持った分家がチラホラ現れ、本家に報告することで“できる子アピール”したみたい。
お母様に感謝のお手紙がいくつか来たらしいよ!
私の報告を聞いたお母様もイラッとしたらしくて、ご子息が分家の者に縁談の申込みをしているようですけど順番間違ってますよってお手紙出したらしい。
そこで、出来の良くない息子ちゃんでも可愛い可愛いしてたダメ夫人は少し覚醒した。
更に、事実確認をしてるところに届く他家からの追い打ちのお手紙。
ダメ夫人は本格的に覚醒した!
学園に入る前に除籍したかったけど頑なに息子を守る妻に困ってた夫は、妻の謝罪の言葉に喜んで、学園まで退学届を出すついでに息子を迎えに来て担いで帰ってったらしい。
妻の息子ちゃん可哀想攻撃がなくなった夫は、ダンジョンでガツガツ鍛えてCランク冒険者になったら放逐したそうだ。
滾々とお前は貴族に向いてないと諭し、もう一人で生きていけるだろ?あばよ!とポイしたらしい。貴族だわ〜
お嫁さんに弱かっただけで、息子とはそこまでの関係だったんだろうね。
現当主は孫息子を見限ってたらしくて、孫息子を庇ってたお嫁さんも離婚の危機だったらしい。お嫁さんに甘い息子ごと切り捨てるか悩んでたんだって。
お嫁さんが覚醒して良かったねえ〜
でも、現当主は孫娘に婿取らせるまで現役で踏ん張るらしい。
やっぱり息子夫婦は信用できないみたい。
孫娘は、息子たん可愛いしてた母とそれを傍観してる父を反面教師にして祖父母に教育されたしっかり者だから問題ないんだと。
当主を譲ったら嫁に言われるまま孫息子を当主にしそうって、いつまでも息子に当主を譲らなかった現当主は慧眼だわ〜
この出来事は噂に尾ひれ背びれがついて、貴族社会の戒めになった。
上位貴族は一部以外は気を引き締める程度だったが、下位貴族はかなりの意識改革がなされた。
本家が分家の教育の見直しもするようになって、いくつかの分家が潰れ、最終通告された分家もある。
サフォーク伯爵家もローランドの後押しでやってやったぜ!
何人か後釜にできそうな人の確保できたからね!
最終通告された分家たちは、やっぱり…と諦め気味な家と、何故!と慌ててる家に別れたらしい。
おかげさまで学園で声をかけられて上位貴族のお友達も増えたし、めでたしめでたし。
なんて、クリス様とちょっと遠い他国のダンジョンにきて、ついでに街でデートしながら話してたら、犯罪者を発見した。
他国に行く時用に、新たな魔法を作ったんだよね。
今までは鑑定と索敵で自分の敵はすぐ排除できてたけど、他国では絡まれることも少なくないから、過去の犯罪に反応する魔法を編み出しました!
犯罪者なら多少ボコってもいいかなって。
そして、引っかかったのはまさかの禁術使用者。
傀儡魔術って初めてみたわー
禁術は、魔法陣や魔石を利用した精神干渉系の術が該当する。
魅了魔術や洗脳魔術、記憶改竄魔術なんかが過去の事件で使われた。
他国で奴隷制度があるところは、隷属魔術ってのがあるけれど、こちらはしっかり国が管理してる。禁術になる程、自我を封じられることもない。
傀儡魔術は文字通り、意識を奪われて使役者の指示通りにしか動かない人形にされるらしい。
禁忌スキルもあるけど、毒魔法や魅了魔法を取得しちゃう人がたまにいるくらい。
国に報告すればスキル封じしてくれるけど、裏組織に見つかったら拐われちゃうので注意が必要。
まあ、禁忌スキルの取得条件に犯罪行為が含まれるので、元から裏組織に所属してる人が多いかな?他は密偵とか。
それにしても、一緒にいる被害者の一人、行方不明だった子爵令息じゃないですか!
えっ、他の被害者も他国の貴族令息かよ…
そんな堂々と移動するとかある?




