現実って無情2
「ローランドは分家から本家に嫁がれた方がいたと聞いたことがありましたが、実際あったのでしょうか…?」
まあ、今までの話を聞いて普通に考えたら無理そうだよね。
「幼少期に見初めた分家の者を、本家が教育したのでしょうね。下位貴族の教育費が白金貨数枚、上位貴族の教育費が黒金貨1枚以上と言われてるから、見初められた分家の者は相当優秀だったのだと思うわ。確か記録だと、Sランク冒険者になった方よ」
「まあ!Ꮪランクまでなられたのなら優秀な方だったのですね」
本家が予算組んだのか、個人資産で投資したのか分からないけどね!たぶん、後者かな。
ローランドの嗅覚にハズレは今の所ないから、投資しても問題ないと思われたんだろう。
この子、うちの分家にᏚランクごろごろいるの知ってるのにリアクションいいわね!貴方の父もᏚランクでしょうに。
「もし貴方が見初められて、お相手の家が本家に話を通すなら、まずは学園で先程の勉強を修了してないと婚約できないわ。下位貴族のまま嫁ぐことはできないから、本家の養子になれないと話は進まないもの」
「一応学園で学ぶことはできるのですね」
「大枠は学園の下位貴族用の選択授業で学べるから、長期休暇に本家で詳細を学ぶことになるかしら。ダンジョン攻略は本家が協力すれば少しは楽でしょうし」
「お相手が無理をして下位貴族を娶ることはないのですね?」
ええ?なんか厄介な上位貴族に目をつけられちゃったの?
下位貴族の子たちが緊張してるのはそのせいなの?
私達の会話に耳を澄ますのはいいけど、周りが静かになり過ぎて怖いのだけど。
「ないわ。もしあるなら、相手が分家を興して下位貴族同士として迎えることはあるかもね」
「そんな事があるのですか?」
「今ある分家が無能過ぎて潰されるか、新しい事業を始めるのに分家を新たに興すのか、理由は色々あるわね」
サフォーク家は無能を始末予定。一時的に分家を増やして、無能は次代に継がせず潰すことになりそうだけど、他家でもそんな動きがあるのかな?
「最近、学園で選択授業を学ばずに卒業する下位貴族がいるらしいの。卒業後に、領地で使えないから家の存続が危くなってるんですって。本家としては、そんな分家はいらないから、兄弟に分家を興させる家があるのかもしれないわね」
「ヒエッ、そんな分家があるんですか!?」
「代官の家系なのに、領地で下っ端文官とかいるそうよ。学費を出してる本家に喧嘩売ってるのかしらね?」
ザワッと空気が揺れた。もしかして、学費を本家が出してることも知らなかった?
それだったら、本家の用意した教育係がよくないのかも。
ローランドは、優秀な分家にそれぞれ上級まで教育して、次代の教育係として育ててる。
孫が生まれたら爵位を譲って教育係になってもらう感じ。
刺繍やダンスは、他家の有名な人だったりするけど。
他家はどうしてるのかしら?
分家に払われてるお金って、そこそこ大きな金額のはずなのになんで今まで放置されてたのかしら。
会社でいう役職手当なんだから、無能はとっとと排除するべきでしょう。
「分家の縁談は本家同士が話し合う筈だから、お相手には事前調査が入るわ。だから、潰されそうな家は弾かれるわよ。昔は能力のない子は学園入学前に除籍されてたから、そんな心配はなかったのだけど」
「除籍ですか?」
「ローランドだと、戦闘能力はあるけど貴族は向いてないみたいな子がたまにいるのよ。そういう子は、早々に領地の騎士か冒険者を選ばせてるわ」
「ああ、なるほど。貴族に向いてないなら学園の卒業は厳しいですもんね」
「そうそう。貴族は家名を背負ってるんだから、外に出せないような子は失敗する前に除籍した方がお互いの為なのよ」
寮に戻ってから話を聞いたら、上位貴族に嫁入りしたいお花畑ちゃんに現実を知らせたかったらしい。
なんでも、家を継げなさそうな伯爵家のお坊ちゃんが火遊び目当てなのか下位貴族の令嬢達に言い寄ってて、その気になっちゃった子がチラホラ。
馬鹿なのかな?
イラッときたからお母様にチクって抗議してもらおう!
チクチクネチネチやっちゃってください!




