現実って無情
「イザベラ様、私が伯爵家に嫁ぐことは可能でしょうか?」
分家の令嬢たちとカフェテリアでお話してたら、突然微妙な話題をぶっこまれた。どうした、どうした?
目を合わせたら、なんか事情がありそうな気配。
ココでその話題をすることに意味がある?と目で訴えたら、小さく肯かれた。
「現状なら無理ね。選択授業はなにをとったかしら?」
「経営学、法律学、ダンスと魔法実技はとってます」
「マナーと語学、歴史は今からとれる?」
「大丈夫です」
法律学やマナー、ダンス、歴史なんかは他国用は上級で、学ぶ下位貴族は最近いないらしい。
上位貴族の授業はだいたい上級からスタートなんだけどね〜
授業数が多いから、修了試験受けて授業免除してもらって調整しないとめっちゃ大変。
社交メインで卒業余裕とか、ないよ?
高等学院は研究室メインで、品種改良や魔法学、魔導具、魔物の研究が多いらしい。
ダンジョン研究もしてるらしいけど、学園時代にAランクまでいけなかった人の為の演習になっちゃってるから廃止されそう。
ダンジョン潰したいから研究してた筈なんだけどね?
ちなみに、ダンジョン潰す方法はないよ!知識書庫スキルってば残酷〜
次期当主や夫人じゃなきゃ教育は楽かというと、そんな事もない。
なにせ死亡率が高いから、スペアとして教育は必須である。
兄弟の一人か二人は、王宮に出仕したり、当主の補佐になってスペアとして生きることが決まってる。
クリス様の弟も最低限の勉強はクリアしてるよ!
脳筋騎士だから、ぶっちゃけスペアの役割は無理そうだけどね…サフォーク家、クリス様の怪我が治らなかったら結構ヤバかったんじゃね?
「ローランド家が手配してる家庭教師の教育を修了しているなら、下位貴族用の初級試験はすぐに合格できるはずよ。一年で上級まで合格できれば本家の養子候補にあげられるわ」
「養子候補ですか?」
「アッシュフォード王国は上位貴族しか他国を招く夜会に出ないから、下位貴族は領地から出ない前提の最低限の勉強しか義務になってないの。王宮の文官や騎士、領地の代官や貿易担当への就職用の授業は選択制なの」
「上位貴族と下位貴族では学習内容はそんなに違うのですか?」
「そうね。上位貴族は本家になるから、王家とそう変わらない学習内容よ?マナーやダンスだけでも、他国との交流があるからかなり違うわ。戦闘訓練は義務だし。本家は10歳前後でダンジョン攻略が始まるのが普通よ?下位貴族は本家から割り振られた役割がそれぞれあるはずだから義務じゃないけど」
「実技は魔法だけで大丈夫でしょうか?」
「ローランドは分家も魔物学とダンジョン攻略が義務教育よね?冒険者ランクをAランクまであげられれば問題ないわ」
「Aランクは難しくないですか?ダンジョンを30以上攻略済みじゃないとランクアップ試験受けられないですし」
そうなんだよね。
Bランクまでは実力だけで上がるから、地元から離れない冒険者がそこそこいる。
Aランク以上になるなら、ダンジョン巡りの為に財力が必要。転移門使ったり、ダンジョンの情報買ったり、荷物持ち雇ったりするのにお金かかるからね〜
まあ、Bランクまで上がればそこそこ稼いでる筈なんだけど。
やっぱり、転移やアイテムボックスのスキルないとキツイよね〜
本家はだいたい家宝のマジックバッグ持ってるし、財力あるから楽な方だけどね?
見込みがある分家の子なら貸してくれるんじゃないかな?
ローランドの分家は、マジックバッグ所持者多いからすぐに借りられると思うよ!
「さあ?アッシュフォードは国内に100以上ダンジョンがあるから簡単な方じゃない?上位貴族の後継者はAランク以上が当たり前だし、有事の際に当主代理になる夫人もAランク以上が普通よ」
「ちなみにイザベラ様のランクは?」
「私は既にᏚランクね。国内のダンジョンはだいたい攻略済みよ」
「サフォーク伯爵家に嫁がれるのでしたか」
「ええ。クリス様は宰相補佐を続けることになるから、爵位を継いだ後は私が当主代理になるわね。勿論、スタンピードも戦争も私が前線にでるわよ?」
周りのご令嬢たちが聞き耳を立ててる気配から察すると、下位貴族クラスで上位貴族への嫁入りを夢見たお花畑ちゃんがいるのかな?




