クリス様と社交デビュー2
さてさて、本日の衣装は、私が用意したお揃いのアオザイ風。
クリス様にドレスを贈りたいって言われたけど、初めてはデビュタントに取っておきたい!とお願いした。
婚約者に夜会用ドレスを贈って貰うの、憧れる〜!
クリス様の衣装は、濃紺の生地に薄紫で袖と裾に大きく刺繍をいれ、襟と胸元は金で差し色を入れた長袖膝丈のアオザイ風。
細身のボトムスは白、靴は金飾り付きの黒のチェルシーブーツ。
私の衣装は、薄紫の生地に黒でクリス様と同じ柄を総刺繍してもらい、腰のスリットからは黒のシフォン生地を重ねたアオザイ風ドレスにした。
袖も、肘から黒のシフォン生地で姫袖っぽくふんわり。
髪型はハーフアップで、大振りの金細工の飾りが目立つ垂れ簪をつけてある。
靴は金飾り付きの白のブーティ。
クリス様の髪色の黒と瞳の金、私の髪色の濃紺と瞳の薄紫でガンガン攻めてみたよ!
初々しいバカップルを目指しました☆
もう婚約して3年経ってるから今更感あるけど、世間では婚約したばかりと思われてるからね!
ちょっとやり過ぎくらいが牽制するのに丁度いいハズ。
サフォーク領に転移門で向かい、お迎えにきてくれたクリス様と合流する。
「イジーが美しくなり過ぎて他の人に見せたくないな」
「クリス様がカッコ良過ぎて困ります」
あれ?未だに初々しいバカップルかもしれない…
会場に到着したら、お義父様とお義母様に大歓迎された!
長男も次男も未婚で、浮いた話が全くなかったから、なんだかんだ分家から心配してます風の嫌味をずっとチクチクされてたみたい。ストレス溜まってたんですね。
しかも、うちに嫁が!しかも自慢できるくらいできた嫁!嬉しい!と思っていたけど、婚約の情報は秘されてて誰にも言えない…やっと情報解禁だ!とテンションおかしくなっちゃったみたい。
3年も待たせてごめんなさい?
お義父様とお義母様が終始上機嫌ニッコニコで、クリス様の婚約者だって私を皆に紹介してくれました!
クリス様に婚約者として紹介して貰えなかったのは残念だけど、これはこれで婚家から歓迎されてる感があって嬉しいね。
ガーデンパーティーの終盤、クリス様が私から離れたタイミングで男爵夫人に声をかけられた。
身内パーティーだからマナー違反だとかうるさいことは言わないよ?
「侯爵令嬢でも婚約に苦労されるのですねぇ」
ん?なぜ私は憐れまれたんだ?
あー、クリス様と私の婚約は、この人には理解できないのか。
行き遅れで9つ年上の旦那さんの後妻になったことがコンプレックスのこの人には、歳の差が18もある格下の伯爵家に初婚で嫁入りする侯爵令嬢は憐れむ対象ってこと…ふーん。
もしクリス様にフラれても、断った縁談50以上あったから私が行き遅れることはなかったけどね?
クリス様との婚約を、ハズレみたいに言われるのはちょっと許し難い。
イラッとしたけど、排除する程でもないし、惚気を混ぜてすっとぼけてやるか。
「まあ、既にお聞きに?クリス様と出会った頃のお話ですのに」
「え?」
「え?王家からの婚約を断るのに苦労したってお話ですわよね?」
「あ、そぅですゎね…」
困ってる、困ってる!思ってた反応と違って、全く知らない話振られて目が泳いでる!
王子との婚約の話があったなんて知らないもんね?
当時、城内でちょろっと噂になったけどすぐ鎮火して、数年後に偽情報でまたちょろっと噂になったけど、すぐ誤報だったと訂正してる。だから、殆どの人が知らない話だ。
でも、婚約の打診は事実だからね!私、嘘はついてないよ!
「クリス様と出会った当時は、まだ私が幼すぎて、周りを説得するのが本当に大変で…」
全く大変じゃなかったけどね!賄賂と実力で捻じ伏せたけどね!
「最終的に、クリス様の上司の宰相閣下が協力してくださったの」
調べればわかるけど、この婚約は、表向き王弟殿下肝いりだよ?
「ああ、特級鑑定師として仕えることで納得していただいたから王家との関係は良好ですのよ?ご安心なさって?」
私が既に出仕してることも知らないもんね?
侯爵令嬢をナメるのもいただけないけど、ちゃんと情報収集してから相手に喧嘩売らないと。貴族夫人として失格だよ?
「私、やっと初恋が叶って今とっても幸せですわ」
王家との縁談を断ってまで選ばれたのがクリス様だよ?
ちゃんと理解できたかな?
顔色が悪くなった男爵夫人はそそくさといなくなった。
ザマァ!




