またまた出張
「シノビくん、早速警備頼みます!ルイくんの周辺は特にね!サーチアンドデストロイ!」
えっ!
シノビくんってば、グッジョブサインどこで覚えたの?
まあ、可愛いからいいや。
今回は、異国の森の調査だよ!
ウルガ国と冒険者ギルドで長年問題になってた森で、他国にも噂が届く黒の殲滅者宛に依頼をするか、でも財源がってグダグダしてた所を我が国の宰相閣下が上手く誘導したらしい。
依頼書に“森海”って書いてあったけどさあ、到着して実物見たら、まあ予想外だったよね。
スキルの【知識書庫】、今までは不便を感じなかったんだけど、今回はちょっとね…文字だけの限界を痛感したわ。
今までは、ほとんど【鑑定】との合わせ技だったからね〜。事前に把握できることは限られてたんだな〜。
図鑑を作った人の有り難みを感じたよね!
さて、“森海”と呼ばれてるこの森は、もう、入り口から植生が摩訶不思議。
木が白とか赤とか青だし、葉っぱもあったり無かったり、そこらに生えてる草も水玉模様とかめっちゃカラフル。
見た目はまあ、目を引くから好奇心をくすぐるね!
だけど、近付くと襲ってくる草木たち。
実を採ろうとしたら擬態してた魔物がガブッときたり、通り過ぎると後ろから蔦が絡んできたり、木だと思ってたら吸盤付きの枝が襲ってくる。怖っ!
この大陸では数少ない、フィールド型のダンジョンですね。しかも、高難易度の。
アッシュフォード王国にあるのは、全部が階層型のダンジョン。うちの領にある魔の森は魔素が濃いから、いつかフィールド型ダンジョンになるかもしれないけど、まだまだ先の未来。
ちなみに、フィールド型ダンジョンは、魔族の大陸に多いんだよ。大陸全体の魔素が濃いんだって。
「イジー、何かわかったかい?」
今回の出張もクリス様が一緒だよ!まあ、他にもいっぱいいるけど。
調査依頼してきた、ウルガ国の騎士と魔術師も同行してる。ぶっちゃけ弱すぎて、途中で死なないか心配。
アッシュフォード王国の騎士と魔術師の半分のレベルしかないってヤバくない?
「んー、フィールド型ダンジョンなのは間違いありません。ここは確かに森ですけど、海型の魔物が陸型に進化してるっぽいです。魔物の名前とか素材とか、やっぱり直接見ないと判別つかないですね。最低でも一週間くらい滞在が必要かと」
「そんなに長くないね。まあ、滞在の延長も出来るみたいだし、ゆっくり行こうか」
「ここ、高難易度なので、結構エグい魔物がいますよ。ウルガ国の騎士達のレベルだとキツそうです」
「あー、そうだね。でも、勝手についてくるんだから、気にしなくていいんじゃない?」
確かに。自己責任だよねー。
調査依頼されたのは、今まで森の外に出なかった魔物が出てきたからなのよ。
これ、スタンピードの前兆だと思うんだ。
宰相閣下が懸念してたんだ。
そんなに裕福な国じゃないから、これがスタンピードだとヤバいらしい。被害の規模によっては、国が滅ぶ。
それに、ここのダンジョンでしか採れない素材がかなりある。アッシュフォード王国に隣接してないウルガ国が滅ぶと、別の国に吸収されて、素材が高値にされる可能性が高い。
だから、森の調査のついでに、魔物や素材の実地調査もするんだ。今後の為に図鑑を作るのもいいよね!
あとウルガ国って、ダンジョン少ないし、冒険者も多くない上に、貴族も戦闘しないっぽいんだよね。
こんな高難易度ダンジョン抱えてて、戦力少な過ぎない?
それに、この“森海”って呼ばれてる森が確認されてから150年くらい経つのに、未だに森の中心部まで調査してないってヤバイでしょ!?
しかも、理由が魔物が強いからってさぁ…バカなの!?




