忘れてたシスコン
「ベラ〜ベラ〜ベラ〜!!!最近一緒に過ごせてない!もうダメだ!禁断症状が出るんだ!見て!手が震えてる!」
残念シスコンお兄さまが、ぎゅうぎゅうに抱き締めながらヤバい発言。
え?私ってなんか分泌してるの?
禁断症状とかなにそれ怖い。
お城に行ったり、他領に行ったり、数日相手しなかっただけなのに…
お兄様、学園通える?
3年は寮生活で、長期休暇くらいしか会えなくなるんだけどなあ。
入学まで後2年しかないんだけど…
あれ?ちょっと私も寂しいかも。
「ジョシュアおにいさま、きょうのじゅぎょうのあとはいっしょにあそびましょう」
額に、ほっぺに、たくさんキスしながらお兄様は嬉しそうに笑った。
授業が終わって、サフォーク様に差し入れするお菓子を作りながら、お兄様の授業が終わるのを待つ。
あれ?なんか忘れてる
どどどどどうしよう!!!
サフォーク様のこと、お兄様に言ってない!
いや!?言っていいのか!?
なんか妨害されそう…
…お父様に相談しよう!うん!
「ベラ〜!お待たせ!なにして遊ぼう!?」
グエッとあらぬ声を出したのは、お兄様には聞こえてないようだ。
最近、お兄様の力が強くなってきてる。
いつか抱擁で殺されないか心配。
「うーん、おにわでボードかな?」
「あ!いいね!久々にボードで追いかけっこしようか!」
実は、お兄様にはいろいろバレている。
まず、部屋で魔力操作の訓練のつもりで、水魔法で水球をたくさん出して操っているのを見つかって、魔法が使えるのがバレた。
せめてノックしてから部屋に入ってきて欲しい。
次に、隠密で屋敷内を歩いてたら、声をかけられて逃げようとしたら捕まってバレた。
見えてないし感知できないはずなのに、何故!
そして、錬金術がバレた。
ちょっと作るの楽しくて、集中してたら後ろにいた。
うん、これは反省してる。
内緒にするかわりに、何か遊べるモノを作ることになった。
意外と浮かばなくて困った。
ファンタジーな玩具ってあんまりないよね?
魔法の杖、いらない
空飛ぶ箒、いらない
変身アイテム、いらない
それ以外って魔導具だけど…ぶっちゃけ前世の家電製品ですし。
後は浮かぶの武器ですよね。いつか作りたい○○剣。
リバーシやトランプやボードゲームなんかは普通にこの世界にもあるし。
いや、これもうSFに行っちゃうか!
ホバー○ードとか乗りたい!
ってことで、作りましたよ。ボード!
スノーボードみたいな専用のブーツを作り、ボード本体には【浮上・アクセル・ブレーキ】のフットペダルを。
お子様用に、30Mまでしか浮上しない安心設計!
ええ、風魔法と重力魔法でスノボやサーフィンみたいな動きを空中で出来ます!
最高かっ!本家なんて目じゃないぜ!
早速着替えて、お庭へ。
左足を固定器具にカチッとはめると、ボードが地面から数センチ浮き、空中姿勢制御も起動する。
空中回転しようが、逆さまになろうが、すぐに元に戻るステキ仕様!
左足の器具はスライドが付いていて、お手軽に方向転換可能!
右足で地面を蹴って、ボードが動き始めたら右足でフットペダルを操作。
いざ!空へ!ヒャッフー!!!
「おにいさま!つかまえてみせますわ!」
「負けないよ!それっ」
ジョシュアがアクセルと浮上、方向転換を駆使して庭の空を駆け回る。
イザベラがパルクールで鍛えたトリッキーな身体の動きを盛り込み、上下左右からジョシュアを追いかける。
はたから見たらとんでもない遊びである。
広大な敷地の奥の庭で兄妹がこんな遊びをしていることを、父母はまだ知らない。




