お父様の説得
反省を生かして、お父様に許可を求めた。
ひとつめは、国内の貴族の把握のため、転移門の使用許可。
一回行っちゃえば、後は自分でどうにか出来るから。
まあ、悪いことしてる貴族は報告するからどうにかして欲しいってこと。
国内情勢とかわからないしね。
下手に一人で手を出して、国に迷惑かけるのは良くない。
ふたつめは、ヴァロア王国への潜入。
第3王女の暴走だけならば、それを止めたい。
このままだと、王太子妃の暗殺未遂で最悪は戦争です。マズい。
一応、作戦としてはハニートラップ。
私の幻術で、王太子似のイケメンに化けて近づく予定。
なにか問題があれば、通信魔導具で即報告、即連絡、即相談!
前世のホウ・レン・ソウですね!大事なやつ!
心配して渋るお父様に、2人だけの専用通信魔導具を作った。
前世のお子様ケータイを参考にしました。
・専用通信回線
お父様と私の魔導具同士でしか通信出来ない
・位置情報検索機能
魔導具同士での位置把握
・自動防御結界魔法付き
半径1m以内で攻撃を感知したら自動で展開
魔法も物理もなんのその!
・生体感知機能
魔導具が体から離れたらアラーム起動、相手にも通知
なかなか良い出来じゃない?
時計機能もちゃんとつけてあるし、前世のスマートウォッチを思い出すね!
うーん、トランシーバー型はボツだな。
あの見た目がレトロでカッコいい気がしてたんだが。やっぱり嵩張るのはな〜
次からは腕輪とか磁気ピアス風で作ってみよう!
イザベラがそんな事を考えていた時、レオナルドは固まっていた。
(国宝を軽く超えてきやがった…!マズい!)
危険なことを止める為に渋っていたら、更なる厄介事を産み出すとは…予想外過ぎる。
通信魔導具の有用性はわかっていた。
騎士団でも取り入れたい、と考えてはいた。
しかし、なんだこの性能は!
位置情報に自動防御結界って、それだけでも国宝級だぞ!
それに時計機能付きって!
ああ!なにこの時計!
もう!国宝級がこんな簡単に出来てたまるか!
イザベラはこの世界の時計事情を知らない。
過去の転生者が作ったのは懐中時計と置き時計。
ほとんどの貴族は、屋敷に置き時計を、当主が懐中時計を持っている。
作れる者がほとんどいない為、かなり高額だ。
平民は、教会にある置き時計か、教会が鳴らす鐘で時間を知る。
数百年、その状態が続いていた。
そんな、進化を知らない時計が、いきなりデジタル表示になり、腕時計型になり、レオナルドは意味がわからない。
(なんだこの表示は!それにこのサイズ!時計が錬金術で作れるなんて…革命じゃないか!)
そう、いままで時計は職人の手作業。
魔導具でもなかった。
イザベラが錬金術で作れると証明した。
魔導具として作れると証明してしまったのだ。
この後、ローランド家は時計職人と錬金術師をかかえこみ、時計商店を作り、財を成す。
イザベラの規格外を隠す為に、父母は奔走した。




