短期留学7
「こちら、ウィネーフローの毒ですね。毒見はどうなってますか?」
室内に待機していた騎士に向かって、毒入りのカップを持ち上げて言ったら驚愕されたんですけど。
特級鑑定師に毒盛るとか無謀過ぎて警戒してなかったのかな?
「お、お待ち下さい!確認します!」
少しすると、部屋の外の騎士がドタバタ駆けて行った。
うーん、犯人が監視してたら異変がバレバレなのだが。
秘密裏に捕縛に動くようなことじゃないのかな?
この国の騎士、手際が悪い気がする。
「こちらの紅茶は王妃陛下のお気に入りで、魅了魔法を暴いてくださった貴女への労いとして、王妃陛下から贈られた物でした。混入がいつされたのか、標的がどちらだったのか未だハッキリとしていません」
なるほど、そう来たか。
王妃様が下賜した物じゃ毒見は失礼になるとスルーされちゃったのね〜。
えー、これ王妃様が敵だったら面倒くさいやつ!
夜中に確認に行くしかないか〜…ハァ。
あ、この大陸では王妃陛下は、王が倒れた時等に代理になれる、政治権限のある王妃の場合に使われる。
王妃殿下の場合は、王が不在になれば次の王位継承者に速やかに譲位されます。
王妃殿下の産んだ王子が幼い場合は、王の兄弟と血みどろの継承争いになることが多いから要注意だよ!
まあ、王妃陛下が王子を産まず側妃が王子を産んでる場合も他の王位継承者と多少の争いは起こるけどね〜。
でも、その場合は王妃陛下の判断で王妃の養子にして継承順位を変えたりできるので、権力の勝利である。
あと、王が無能だった時に処する権限も王妃陛下は持っていると噂されている。ぶっちゃけガチである。
ってことで確認に来ました!隠密便利だわ〜。
あー、うーん、なるほど?
私に叶えられないことはないって勘違いしてる傲慢貴族か〜。
王族派筆頭公爵家の令嬢だったのに、夫の王様まで見下してる女王様(笑)
狙われてたの私じゃなくてこっちじゃないかな?
コレを王妃にしなきゃいけないほど王権弱ってんのかね…。
王様が無能じゃなくても邪魔になったら排除しそうなんですけど?
ついでに“ジュスティ”の隠れ家で、お仲間さんから事件の動機を確認してこよう。
まだ捜査協力の許可がでてないから、騎士団に詳しい情報渡してないの。わざとじゃないよ?
「ミアが捕まったのは間違いないようだ」
「あれだけ学園が騒がしかったのに情報収集が難しかったのは箝口令が敷かれているからだろうな」
「クソッ!まだまだあいつらの悪事を調べてる最中なのに!!!」
「王妃も倒れたって聞かねーし、紅茶じゃなくて化粧品にでも毒入れてご自慢の美貌を台無しにするべきだったか」
「ばか、それじゃ回復魔法に金を注ぎ込むだけだろ」
ミアの知っていた隠れ家に待機していた人物が別の隠れ家に移動したら、なんかいっぱいいた。
ふむふむ調べたら、“ジュスティ”は義賊よりの組織らしい。
ただ、王族派の貴族は躊躇いなく殺すくらい嫌いなので盗賊団として知られてる。
なんか復讐の邪魔しちゃったみたい?
女王様(笑)じゃなくて王族派(笑)だったのね。
王家の威を借る狐の集団か〜…もう留学やめて帰っちゃダメですか?




