短期留学5
後日、第一王子が接触してきた。
「何故、貴殿は愚弟について把握を?」
「あら?私のこと調査しておりませんの?特級鑑定師として出仕していることはご存知?」
「ああ、うむ。ヒプノーの撲滅に貢献したと聞いている」
もしかして、第一王子の周りは無能しかいない?
よし、後で調べよう。
「ええ、それも活躍しましたね。ヒプノーの件はいくつかの国から勲章を頂いたから有名なのかしら?私、特級鑑定師として12歳から出仕しておりますの。Sランク冒険者でもあるので護衛としても重宝されておりますが」
「なっ…Sランク!?」
「ウルガ国の“森海”の調査やサティラス王国の国王暗殺未遂事件、ロテリーン国の第一王子の処刑でも活躍しているのですが、あまり知られていないみたいですね」
魔族の事件は黒歴史だから自分から言わないよ!
サティラス王国は王様がお友達に話しちゃってるし、ロテリーン国の醜聞はかなり話題になったはずだけどな?
最後には、責任とって国王が退位することになっちゃったし。
第一王子が後ろに控えてる側近に視線を向けるけど、側近も知らなかったらしい。ダメな子かな?
「すまない。情報収集が出来ていなかったようだ」
「そのようですね。私、鑑定スキルと別のスキルの相乗効果で犯罪者が近くにいるとわかりますの。第三王子達は学園内で反応があったので報告をしようか悩んでいたらあの事件でしょう?第一王子殿下には知らせた方がいいかと思って情報を渡しました」
「な、なるほど。あの時の貴殿からの情報の裏はとれた。それで、愚弟の幽閉が決まった」
「まあ、でしたら追加の情報は必要ないかしら?」
「「「えっ」」」
第一王子と側近と護衛がポカーンとしてる。なんで?
「第三王子の母親の側妃様のご実家と側近候補達の家の悪事の情報なのですけれど…いります?第三王子の被害者の家に内密に慰謝料が払われるなら私は手を引きますけど」
「…アッシュフォードには優秀な人材がいるのだな」
第一王子が項垂れちゃったのだけど。
どれだけ周りに恵まれてないの。
まあ、王子の側近の情報収集がこの程度じゃ護衛や侍従のレベルも察するに余りあるか。
派閥の関係かもしれないけど、可哀想。
「情報を貰えるだろうか。慰謝料については内密には難しいかもしれない」
「やはり内密にはできないのですね…側近候補達の家にしている借金を清算することはできませんか?」
「それなら、悪事の内容によっては家の処罰の際にできるだろう」
「そちらの方が被害者の方を傷つけないでしょう。宜しくお願いします、ね?」
後日、第一王子の枕元にイザベラは王城内の調査結果を置いた。
分厚い調査結果を手にした第一王子は、恐怖から泣いた。
イザベラにその気は無かったが、簡単に暗殺できるという脅迫でしかなかった。
懇切丁寧に貴族の不正内容が書かれた調査結果には、閑職に回されている有能な人物のリストが添えられていた。
第一王子は喜び勇んですぐに動いた。
第一王子は、アッシュフォード王国には絶対に敵対しないと誓った。
自国が如何に小国であるか真に理解し、人材育成と人材発掘に力を入れることにした。
彼の治世は、噂を収集するより、知識や情報を収集することが美徳とされ、かなりの発展をする。
カチャッ。トスっ。
「「「え?」」」
「魅了魔法を感知したので拘束しますね」
学園案内中に魅了魔法使用中の女子生徒と魅了されている男子生徒たちに出くわしたので、女子生徒に忍び寄って持っていた魔封じの腕輪をそっとつけ、手刀で気絶させた。
ハルシオータ王国、留学初日から不穏なんですけど。




