父の災難
マリアンヌ様との話し合いが終わり、執務室で執事長のセレンと今後の対策をしようと椅子に座ったところ、机の前にイザベラが現れた。
何もないところに、前触れもなく、いきなり。
私の横に立っていた普段表情を変えないセレンでさえ、驚愕の表情を隠せないでいた。
「おとうさま、そうきゅうにかたづけなければいけないことができました。いままでないしょにしててごめんなさい。スキルをつかってあくにんたいじをしていたのはわたくしです」
そして娘からスキルの説明を受けた。
主にこの4つだ。
【鑑定】は他のスキルの相乗効果もあり、ほぼ知りたいことは鑑定で確認できること。
【隠密】で姿も気配も隠して屋敷を抜け出し、領内を回り、悪人退治をしていたこと。
【索敵】で暗殺者が来るとわかり、退治していたこと。
【錬金術】が出来ることがわかり、勝手に倉庫から錬金釜を借りて使っていたこと。
ねえ、俺の娘、凄すぎじゃない?
捕縛専用スキルとかが存在して、簡単に捕縛してるのかと思ったら、補助的スキルはあるけど、まさかの自力!
「4歳から暗殺者やスパイの捕縛してたの?」
「おんみつスキルでまわりこめば、まほうでたおして、たいじゅつとしんたいきょうかのスキルでちょちょいといけます!」
凄い事なんだけどな〜
なんだろう、この脱力感。
脳筋っぽいんだけど大丈夫かな?
「隠密スキルは隠蔽スキルと違うのかな?」
「おんみつはいんぺいのじょういスキルなのです。さくてきなどのかんちスキルもちでも、ほぼかんちできるひとはいないのです」
どうしよう、影からのスカウトが止まらない気がする。
「錬金術は何を作った?」
「えーっと、、ポーションつくりました!」
イザベラ、目が泳ぎすぎだ。
「魔導具なんかはどうだ?」
「じょうたいいじょうむこうのあみゅれっとならつくったかな〜」
イザベラ、もっと凄いのがあるんだな。
でもな!状態異常無効のアミュレットって国宝級!
普通は毒とか石化とか特定のしかないんだ!
そんな凄いものを大したことないみたいにぶっこんでこないで!
お父様、ちょっと胃が痛いよ。
セレン、目をそらさないで。
「スキルのせつめいはもういいですよね!マリアンヌさまのことでいそぎのおはなしがあるのです!」
そして齎された情報に頭を抱えた。
イザベラ、この短時間でそこまで分かるのか。
マリアンヌ様付きの近衛騎士にスパイが2人。
【マルク・ヴェラアース】
ギャンブルでスペンサー公爵に借金があり、マリアンヌ様の情報を売っている
【ジョージ・パーズコート】
ランズウェイ公爵に妹が人質にとられ、マリアンヌ様のスケジュールを漏洩している
昨日襲撃してきた盗賊は、隣国のヴァロワ王国からの暗殺者。
ヴァロワ王国の第3王女が我が国の王太子殿下に惚れて、マリアンヌ様を消そうとしている。
「きしのふたりは、このあとほばくしましょう。こうしゃくにれんらくされるまえに!あとは、おうたいしでんかのちかくにりんごくのスパイがいるようなのでほばくにつれてってください!」
「あ、ああ。セレン、ストラムホルン殿を呼んできてくれ。ヴェラアースとパーズコートも共に連れてくるよう伝えてくれ」
「おとうさま、わたくしはおんみつでひかえます。ひだりてをあげてくださったらふたりをきぜつさせますね」
娘が頼もし過ぎて、ツライ。
セレンが執務室に3人を案内してきた。
「ローランド侯爵閣下、急ぎの話があるとか。如何されましたか」
「ストラムホルン殿、今から、話す内容のために必要な処置をします」
左手を挙げた途端、ヴェラアースとパーズコートが膝から崩れ落ちた。
セレンが2人を縛り上げている間に、ストラムホルン殿に2人がスパイだったことを伝える。
パーズコートについては、人質救出を優先することを約束した。
もう、疲れた




