短期留学4
授業が終わるちょっと前から廊下が騒がしくなった。
媚薬の香を想定より焚きすぎたみたい。
煙に気づいたのは部屋の前を偶然通りかかった教師の助手で、確認の為にノックをしたけれど返事はなく、鍵のかかった王族の控室に如何したらいいか判断できずパニックに陥り、職員室に駆け込んで大声で「火事です!」と叫んだらしい。
それ、私がやりたかったやつ。
そこからは職員室にいた先生総出で、普段部屋を利用してる王子と側近候補達の安否確認で各教室に行ったり、警備員や学園長を呼びに行き、予備の鍵で部屋に突入。
煙がはけたら阿鼻叫喚!←イマココ
覚醒した坊っちゃん達、媚薬が効き過ぎて本番突入してたみたい。
それっぽく配置しただけだったのに、はて?
学園長が泡吹いて倒れたらしい。
まあ、王子達の悪事に薄々気づいてたのに黙認してたダメな大人なので無理矢理起こして後処理させればいいのでは?
令嬢達が襲われた後に、掃除婦さんがせっかく勇気を出して控室の異変を報告したのに無視するから自業自得である。
その時に適当な理由をつけて控室を封鎖しとけば被害者は増えなかったし、私にいいように使われなかったのにね!
「見るな!」って声が聞こえた後に、複数の女子生徒の悲鳴が響いた。
まあ、すぐに怒号に変わったけど。
坊っちゃん達の婚約者さん達である。
彼等の安否確認で声掛けされてたから野次馬掻き分けて来ちゃったんだね!
早く婚約破棄しちゃえ〜
特に、ちょっと発育の良い婚約者さんは結婚後に狙われてたから、彼等と絶縁するなら今だよ!
翌日は休校になり、更に翌日には王子達は退学になった。
疲れきった学園長と第一王子に呼び出されて、留学生は口止めをお願いされた。
まあ、シレッと神妙に頷いておいた。
大丈夫、王子が側近候補達と乱交パーティーしてたなんて光の速さで噂が回ってるから口止めは無意味です。
ついでに、学園で聞いたリストをいくつか提出して、貴国の風紀は乱れ過ぎでは?学生の王族が学園でこのような問題を起こすのはもう末期としか…とチクチク。
他の留学生も思う所があったのか、ウンウン頷いている。
なんと、仮面舞踏会に何度か誘われた事があるらしい。
「貴国の文化を否定するつもりはありませんが、留学生として勉強しにきている身です。もっと紹介すべき事があるはずです」
ぐぅの音もでない正論である。
学園長は頭を、第一王子は胸を抑えた。
外国要人とされている私にチクチク言われるより、真面目な好青年の純粋な台詞の方が攻撃力が高かったらしい。
第一王子は珍しく真面目なタイプだったので、王家の苦労人枠みたいです。
帰り際に、第三王子と側近候補達の悪事の詳細を書いた紙をコソッと渡した。
この後も友好的に接触してくるなら、第三王子の母親の側妃の実家の悪事や側近候補達の実家の不正行為の情報も渡せるよ!
被害者たちの公表はしたくないから、遠回りしてでも慰謝料の代わりに実家の借金をなくしてあげたいんだ。
うーん、不完全燃焼!




