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ふくろう
こんな幸せは感じたことがない。
言葉にできない幸せ。
空も飛べるくらい心が舞い上がって、大空を飛んでゆけそうになって、空を見上げる。
でもやっぱり空は遠いから、遠く東のほうを見つめて、目をぎゅっと瞑る。
そうしたら少しでも近くに感じられる気がして、ばかみたいに毎日そうやって東北を見る。 くりくりと首をかしげながら。
そして丸い目を開いて手を広げる。この手が羽だったらよかったのに。
あなたのもとへ飛んでいくのに。ふわりと飛んで、ゆらゆら風に揺れて、あなたの前に舞い降りるのに。
手が届く距離。抱きしめあえる距離にまで近づけるのに。