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しゃらりと変身
かめれおんかめれおん。わたしかめれおん。
背筋をぴんと伸ばしてみせた。くるりと目玉が丸を一周した。きょろきょろと周りを観察。ごはんはまだなさそうだ。べろんと舌を出す。掴んだものはなにもなく、わたしの世界は空っぽだ。
なにもないときほど大物がきたりする。胸が躍る、わくわくする。
一度深く深呼吸をしてみる。
キーボードに手を添えて、缶ジュースを隣において、ロックな音楽に耳を澄まして、目をつぶる。
さぁおいで、おまえたち。わたしかめれおん。しゃらりと変身してみせようぞ。