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『集団』

 俺がある町のアパートに引っ越したばかり頃の話。

 室内にいても汗が垂れるほど蒸し暑い日の昼食時。親戚から送られた引越し祝いのソーメンを啜っていると、いきなり扉がドンドンと叩かれた。呼び鈴鳴らせばいいのに、と立ち上がり玄関に向かった。すると扉がゆっくりと開いたと思ったら、外から大勢の人がなだれ込んできた。集団は靴も脱がずに家に上がり込むなり、ソーメンの乗ったテーブルをひっくり返し、よく分からない掛け声を上げながら盛大に踊り始めた。

 あまりにも衝撃的すぎて、俺はその様子を呆然と見続けることしかできなかった。大半が年寄りだったが、中にはエプロン姿の主婦や中高生も混ざっていた。それから集団は部屋をぐちゃぐちゃに荒らしながら、10分ぐらい踊り騒いでいたのだろうか、またしても突然出て行った。

 俺はボロボロに汚れた部屋の惨状を見渡しながら、力なく腰を下ろした。不思議と怒りすら沸いてこなかった。

 その後警察に通報したものの、何故か犯人の一人も特定できなかった。あれだけ目立つ集団だというのに、得られた情報は何一つなかった。

 何もかもが意味不明だった。一体、何だったのだろう?



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