吸血鬼VS口先の悪魔
ファティマの予言編の続きです。
『困りましたねぇ』と
カモメは腕組みをした。
その時…
一人の女が教会から飛び出してきた！
『今飛び出しては
いけない！』
カモメのあまりの
大声にその若い女は立ちすくんだ。
カーミラは一瞬
不動呪縛が弱まるのを感じると
一気に呪縛を打ち払い
女の背後に回り込み女を羽交い締めにした。
『ふふふ…形勢は
逆転だな…
これで
お前達悪魔も
手も足も出まい…』
『カーミラ…
あなた…
悪魔と駆け引きを
するのですか？
やめなさい。
破滅しか選択肢は
有りませんよ』
と、カーミラに
話しかけるカモメ。
『ふっ…
お前達悪魔の常套句だろ！
この女を人質にしなくても…
これ程に美しい肌をもつ女だ…
首筋に一噛みするだけで
何万倍もの力が
溢れてくるのだ…
さあ…女よ
痛いのは最初だけだ
我が力に…
我が糧に…
なるがよい！』
『カーミラ！やめろ』
『おやおや
やっぱり
この女の命乞いですか？
ふふふ…その願いはきけ無いなぁ。』
と、カーミラはほくそ笑んだ。
『カーミラ…
少しだけ話を聞いてくれないか…
その女性はわが校の教師だ…
その女性に手を出したら君は確実に
破滅する。
その女性だけは…
止めた方が良い…』
『何かと思えば
負け惜しみか…
悪魔の戯れ言などには付き合わん！』
『さあ我が力に
我が糧になるが良い。』
カーミラは女の
美しい頸動脈に
キバを立てた！
『うがあ！！
『うがあ！！
なんだ！！何が起きた！
か、か、体が熱い！燃えるようだ！』
今まで恐怖の表情に覆われていた。
女が…微笑む
『カーミラ…私を離さないでね…』
『お前は何物だ！』
『そんなのどうだって良いじゃない。
もう離さないわ』
『うわあっこれは
なんだ…
白い物が…白い物が絡み付いてくる！』
『あら…それは…
私の９本の尻尾よ
もう離さない』
カモメはカーミラへ話し掛ける…
『貴方は。金毛白面
九尾の狐に取り込まれたのです。
だからやめなさいと教えてあげたのに』
『玉藻…貴女が教会から飛び出たと言う事は…
カーミラの心臓を祭壇のキリスト像から取り出したのでしょう？
その心臓をこちらに渡しなさい…』
『嫌よ…この吸血鬼は私のペットよ…
何時までも私だけの為に存在するの…』
『彼の食料は若い女性の生き血だ。
私達には許されない行為だ』
『主任…釣った魚に餌はあげませんよ。』
『そんなことをしたら、彼は干からびて仕舞うぞ』
『だってぇ…
破滅するって…
主任彼に教えてあげたじゃない…
覚悟のうえの決断だもの…
彼はもう私のものよ』
『カーミラ…
悪魔は嘘は言わないのです。
真実を教えない事は有りますが…
嘘は許されて居ません。
あなたも小賢しい知恵など出さずにいれば良かったのに』
喩え…相手が悪魔だとわかっていても…話を聞いて見る位の余裕は欲しいものですね。…
奇妙な魔方陣を知り得ても絶対に
黒魔術の
呪文など…
唱えてはいけません。
光と闇の狭間に住まう
住人を呼び出してしまうかも知れませんよ。
その男には気をつけてくだざい。
次回
その男には気をつけろ
ファティマの予言編は
カモメが…ピンチに
