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  作者: 海奈
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秋の訪れ

 夏休みが終わり、秋が訪れようとしていた。

 僕は夏の終わりの花粉に悩まされ、毎日イライラしていた。この時期の花粉はたちが悪い。まだ秋になりきっておらず、マスクをすると熱気がこもって暑いのだ。くしゃみと鼻水の量がすごく、ティッシュが手放せない。

 しかしイライラする反面、良い事もあった。水月との関係に進展があったのだ。学校では気恥ずかしくてあまり話せないけれど、メールで沢山話すようになった。他愛もない話ばかりだが、とても嬉しかった。メールすることが楽しくて、僕は彼女に毎日メールをした。

 僕は、しばらく彼女とメールをしている内に、好きだということを伝えた。しかし、彼女はハッキリとは断らず、あいまいにごまかした。僕は、それからも変わらずメールをした。

 彼女のことを好きなのは、僕だけではなかった。僕には、ライバルが沢山いた。水月の部活の先輩、ミクシィで知り合ったという他校の生徒、そして、水月の元彼。僕は、自分から振っておいて、また好きだと言い出したよっちゃんに腹を立てていた。一度、殴り合いになりかけたこともある。その時は、水月が止めてなんとか収まったけれど。

 僕は、もう水月の生活の一部になっていた。彼女が、「君からメールこないと、なんとなく変な気分なんよねー」と言っていたので、思い込みではないだろう。

 


 ちょうどそのころ、一つの事件が起きる。

 よっちゃんが、学校の購買で万引きをしたのがばれたのだ。前から、万引きをしているということは聞いていて知っていたが、まさか見つかるとは。もちろん処分は、退学。彼が万引きをした日から、一週間が経ったその日。担任から話をされた。どうやら水月は、その前から知っていたみたいだけれど。彼女は、先生が彼の退学の話をする時、うとうとしていた。たまに、首がかくんと落ちた。先生の話が長かったからだろうか。それとも、もう興味がないからだろうか。後者だと、嬉しいのだけれど。





夏の終わりの花粉は本当に性質が悪いです。

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