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ベランダの窓を開けたら

 ベランダの窓を開けたら手すりの上で三毛猫が丸くなっていたので、「わっ」って驚いた。

「ここ八階だよだよどうやって登ってきたのあぶないよっ!」って叫んだら「おなかなでるにゃ?」って手すりの上でくるりと仰向けになったので、「落ちる落ちゃうっ!」ってあわあわしてたら、バランスを崩した三毛猫がころんとベランダの内側に転がってきた。

 あわてて抱き上げて部屋の中に入れて「だめじゃないの、あぶないでしょ!」って言ったら「ねこだからへいきにゃ。くるっとまわるのがこつにゃ」って得意げに胸を張るので「ねこでも死にますー、ぺっちゃんこですーっ!」って言ったら「へいきにゃ!」って言い張るものだから、「じゃ、落ちてみるっ?」ってがっちり首ねっこをつかんでベランダから突き出したら、三毛猫は下を見て、ちょっと首を傾げて、「……やっぱり、むりかにゃ?」って言ったので「もう、ベランダの手すり登るの禁止だからねっ!」って言って三毛猫をぎゅっと抱きしめてあげた。

 ……三毛猫ちょっぴり漏らしてた。

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