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虐殺の英雄  作者: 社長
第二章、使える駒かただのゴミか
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G-8 囚われの奴隷

門番「そこでしばらく処刑まで震えてるんだな。」


レイは門番に牢獄へと連れられ、閉じ込められた。


部屋の隅には蜘蛛の巣が張っており、虫もいる。


常人なら泣き叫ぶほどの孤独が包み込むが、


レイ「いつもの部屋と同じくらい。」


レイは常人ではなかった。


普段から劣悪な環境で暮らしていたため、むしろ作業のないここのほうがマシなようだ。


しかし、これからどうしようかと思案する。


レイ「逢魔は私を捨てるためにこんなことしたのかな。」


しかし、すぐに脳内で否定する。


捨てるつもりだったら魔術なんてかけないだろう。


レイ「それに・・・・・・。」


レイは自分を助けてくれた英雄を思い出す。


血を浴びながら、笑いながら戦う英雄のことを。


レイ「自分には暴力しかないって、言い聞かせるみたいだったよ。」


逢魔は見た目や言動よりも優しい人間だと、レイは感じていた。


自称英雄も、彼女にとっては英雄だった。


レイ「私だって何かできるって証明しなきゃ。」


立ち上がり、周りを見渡す。


自分の存在価値を証明するために。


門番「処刑の時間だ、出ろ。」


レイ「・・・え?」


逢魔に誤算があったとすれば、処刑までがあまりにもはやすぎたことだ。






王室。


城の外観よりも派手に彩られたその部屋は、地下暮らしにとってはまぶしすぎる太陽のようだった。


どこを見ても黄金、宝石、照明、黄金。


レイは手錠を引っ張られながら騎士に囲まれる。


皆同じ顔であり、非常に気持ち悪い。


玉座に座っている男は静かに騎士を整列させ、レイを見る。


男の身長はとても高く、そのテッペンに王冠が乗っている。


ジョン「その服装、お前この前逃げ出した奴隷だな。」


男はレイを品定めするようにじっくりと見る。


ジョン「俺の名はジョン=ドゥ。このノワール王国の王であり、お前たち奴隷の飼い主だ。」


ジョンは立ち上がり、レイの顔に手を当てる。


ジョン「何故ここに来た?というより何故戻って来た?お前たちは先日の騒動で逃げやがったよな。」


レイ「お前を・・・、殴るために来た。」


ジョン「話の脈絡が読めないな。WhatではなくWhyで聞いたのだ、理由を言え。」


レイ「お前に虐げられた家族の怒りを、お前に支払わせるために来た。」


レイは無表情のまま、静かに告げた。


ジョン「しかし、まだ生き残りがいたとは思わなかったな。ナイト=089、根絶やしにしたと聞いていたが?」


ナイト「は、はい。そのはずでした。」


ジョンはその瞬間、089と呼ばれたその騎士の首を跳ね飛ばした。

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