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虐殺の英雄  作者: 社長
第一章、英雄譚
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G-5 終焉の残滓

逢魔「・・・・・・・・・なぁゼル。」


ゼル「なんだ。」


逢魔「・・・・・・俺ら尾行されてね?」


ゼル「尾行というかついてついてきてねぇか。」


二人の後ろをてくてくと歩いてついていっているのは地下にいた女奴隷だ。


地下鉱山から出てから小一時間ほど後ろを歩いている。


短い銀色の髪の間から赤い目がちらりと除くその女を逢魔はどうしたものかと難儀していた。


逢魔「な、なぁ。いつまでついてくるんだ?」


気になりすぎてついに逢魔が口を開く。


すると女は、


女奴隷「私も連れて行ってください。」


とだけ言って、その後また無言で逢魔の後をついていく。


ゼル「やばい奴になつかれたな。」


逢魔「あのなお嬢ちゃん、俺は人殺しなんだぞ。そんなやつについてきて怖くないか?」


女奴隷「怖くないです、だって貴方は私のことを助けてくれた英雄なんですから。」


英雄、という言葉を言われて逢魔はドキッとする。


逢魔「い、いやな。俺の旅は遊びじゃねぇんだ。下手すりゃ死ぬことだってあるし・・・・・・。」


女奴隷「英雄さんはなんで旅をしてるの?」


逢魔「あ?そりゃ汚染の元凶をぶち殺して世界中のあらゆる人間から英雄って呼ばれるためだ。そのために手がかりを捜しつつ強くなるための修行中だ。」


女奴隷「汚染?」


逢魔「は?お前知らないのかよ・・・、常識だぞ?」


汚染。


数百年前、突如として世界を汚染が襲った。


『終焉の残滓』と呼ばれるその汚染は人体を蝕み、死をもたらす。


噂では悪意ある魔術師の撒いた魔法や、神からの天罰などと正確な原因はわかっていない。


そして厄介なことにこの汚染に適合する人間が生まれてしまうのだ。


終焉に適応した人間を『終焉化』と呼び、終焉化した人間は欲望の赴くまま行動し始める。


汚染が進行すればするほど欲望を抑えられなくなっていき、最終的に人類の存続に極めて深刻な問題を引き起こしてしまうのだ。


終焉に適応できなかった状態をフェーズ0とし、段階的に区分される。



フェーズ0(経過観察)

終焉に侵され体中が焼けるように痛みだす。たいていの場合は痛みに耐え切れず死に至る。


フェーズ1(重度汚染)

痛みがなくなり自身の欲望を抑えるのが困難になる。また、この段階で極めて利己的な超常能力【エクストラスキル】を発現する。


フェーズ2(終焉化)

体の表面から魔力と終焉の力が漏れ始め、ひび割れる。エクストラスキルはより強大化し、欲望を抑えられなくなる。


フェーズ3(終焉同化)

終焉竜と密接にかかわる人物/または汚染が最大まで達してしまった重度汚染者。終焉の力の片鱗を手にし、エクストラスキルが終焉の力を持つようになる。



女奴隷「エクストラスキル?」


逢魔「お前ほんとに世界のこと何も知らないのかよ。」


女奴隷「生まれてからずっと地下だもん。」


逢魔「・・・・・・。」


ゼル「お前ノンデリカシーだよな。」


逢魔「うるせぇよ。」

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