G-21 奪気
逢魔は静かに相手を観察する。
どうやら瘴気は相手の体のいたるところから漏れ出しているらしい。
病医者「どうやら私の治療が上手くいっていないようですが・・・、もしやあなたも重病なんでしょうか。」
逢魔「重病?」
病医者「おぉ!!終焉の汚れた空気のことですよ!!貴方もアレに汚染されてしまっているのですね!!可哀そうに・・・・・・。」
病医者は大げさに両手を広げ、涙を流す。
逢魔「汚れたとか言ってお前もまき散らしてるじゃねぇか。」
病医者「えぇ、私にも止め方がわからないのです。ですが、私のこの瘴気は人を汚す汚染ではない、救いなのです!!」
白衣の奥から医療器具、メスを二本取り出す。
戦闘態勢だ。
病医者「私が救って見せる、全ての人類を!!この世は病気で満ち溢れている!!さぁあなたも!!死後の世界へ!!」
放たれる銀のメス。
だが、特別早いわけではない。
逢魔は素早く見切ってメスを避けた。
カランカランと金属が地面に落ちる音がする。
逢魔「早めに終わらせてやるよ。」
逢魔の右腕がはちきれ、竜の腕が露わになる。
病医者「おぉ・・・、おぉ!!なんということか!!それはまさしく汚染された腕!!切除しなければ・・・、切除・・・切除切除切除ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
バサッと広げた白衣に隠されていたのは無数のメス。
びっしりと白衣につけられていたメスを一本、また一本と投擲する。
先ほどよりも手数が多すぎる。
逢魔は防ぎながらも一歩、また一歩と近づいていく。
病医者「素晴らしい生命力!!だがしかし、そんな貴方こそ早く救ってあげなければ!!」
逢魔「さっきから救う救ううっせぇ!!恩義せがましいんだよ!!」
メスは止まることを知らない。
グサッ
逢魔の足にメスが刺さった。
油断などしていない、警戒を緩めてはいない。
自覚した、自分の体温が冷え切っていることに。
逢魔「俺もうつっちまったってわけか。」
逢魔は先ほどから瘴気を浴び続けている。
加えてこのメス一本一本にも、大量の瘴気が纏わりついている。
病医者「まだ終わりじゃありませんよ。」
病医者が異次元魔法から取り出したのは大きな機械。
逢魔「?・・・・・・・・・、まさか!!」
逢魔が気が付いたときにはもう遅かった。
病医者「気づくのが遅れましたね。」
先ほどまで地面に転がっていたメスが一斉に逢魔にとびかかる。
病医者「MRI、強力な磁場を発生させる医療器具ですよ。」
逢魔の背には防ぎきれなかったメスが何本も突き刺さっていく。
迂闊だった。




