G-13 喧嘩
レイ「あの竜の腕、もっかい見せて。」
逢魔「失せろ。」
レイ「みーせーてー。」
逢魔「ひっつくな、うっとおしい!!」
逢魔はレイを吹き飛ばす。
あの戦いからどうやらレイは逢魔のスキルに夢中なようだ。
逢魔「あの力は俺の生命力吸ってるから疲れるんだよ!!」
レイ「えー、あの腕かっこいいのに。」
逢魔「かっこいい、だと?」
レイ「うん、ぴかぴかでギラギラしててかっこいい。」
逢魔「センスあるじゃん。」
ゼル「ねぇよ。」
三人はゼルの火を利用して肉を焼き、それを食っている最中だ。
雑な扱いをされている神様が不憫で仕方がない。
ゼル「しかしこれでページが5ページスキップだ、やるじゃねぇか。」
レイ「スキップ?」
ゼル「逢魔の力が一定を超えたらそのほかの雑魚はスキップされんだ。最後のページにたどり着ければそこで最強だ。」
ゼルはペラペラとページをめくっていく。
ゼル「【美食屋】に【看守長】、【天気雨】か・・・、まだまだ道のりは遠いな。」
レイ「最後のページには誰が書いてるの?」
ゼル「それなんだが・・・、最後のページだけ視えねぇんだ。」
本の最後のページには赤黒何かで塗りつぶされたようにぐちゃぐちゃになっていた。
逢魔「どうせ終焉の根源の竜とかだろ。」
ゼル「いいや、俺かもな。」
逢魔「はっ、浮かんでる火の玉に何ができんだよ。」
ゼル「バカ言え、俺は邪神だぞ?」
逢魔「自称な。」
ゼル「あ?てめぇだって自称英雄だろ。」
二人の間にピリピリとした空気が流れる。
レイ「このおさかな美味しい。」
レイだけは呑気に魚を食べていた。
逢魔「大体お前、本めくるくらいしか役に立ってないだろ。」
ゼル「お前をサポートしてやってんだよ。一人じゃ何も出来ねぇんだからよ。」
逢魔「はぁ?なんも出来ねぇ傲慢野郎がなに喧嘩売ってんだ?」
ゼル「お前と違って俺はかつて世界で一番強かったんだよ。調子に乗るな小僧。」
逢魔「世界で一番って小学生かよ。そんな幼稚な邪神がこの世界に居てたまるかよ。」
ゼル「・・・お前、いつも言ってるよな。この話だけはバカにするなって!!」
逢魔「うるせぇ。大体お前が本当にその邪神なら俺の先祖に倒されてるじゃねぇか!!」
二人の喧嘩はデッドヒートしていく。
そしてついには・・・、
逢魔「そこまで言うなら勝手にしろ!!俺は一人でも英雄になってやるよ!!」
ゼル「おい待てよ、言い過ぎたのは俺もだが・・・。俺がいなくてどうするんだよ!!」
逢魔「適当に戦ってればいつか名声が届くはずだ、せいぜい森の中で俺のうわさでも聞いてろよ。」
逢魔はゼルにつばを吐き捨ててどこかへ行ってしまった。
レイ「喧嘩しちゃったね。」
ゼル「お前はなんでそんな冷静なんだよ。」
レイ「おさかな美味しいから?」
ゼルは不満げに本をめくる。
そこで、驚愕のページを見つけてしまった。
ゼル「やべぇ・・・・・・、赤文字が近くにいる!!」




