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虐殺の英雄  作者: 社長
第二章、使える駒かただのゴミか
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G-12 ケジメ

逢魔「ちっ、物量が多すぎて前が視えねぇ。」


逢魔の視界は血や肉で見えなくなっていた。


無尽蔵の死体が部屋を埋め尽くす。


ジョンの人間製造は休むことを知らない。


どこからこの無尽蔵のエネルギーが生み出されているのか。


それが、エクストラスキルというものだ。


ジョン「はははははははははは!!!!このまま俺もろとも埋もれろぉぉぉ!!」


突如、ジョンの視界が90°回転する。


ジョン「は?」


ジョンが足を滑らせた。


足元には凍った地面。


視線の先にはレイがいた。


レイ「結構簡単なんだね、魔術って。」


ゼル「バケモンかよ・・・。」


レイはこの一瞬で氷の魔術を習得してしまった。


初歩の初歩だが、それが決定打となった。


逢魔の腕がジョンの腕をつかむ。


逢魔「ようやく捕まえた。」


ニタァァァァッと笑う。


ジョン「やべっ、やべてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


ジョンの腕は簡単に引きちぎれた。


腕が発動条件のスキルなら、もうエクストラスキルは使えない。


のたうち回るジョンをしり目に、逢魔はレイのもとへ歩いていく。


レイ「役に立った?」


逢魔「・・・・・・ほんのちょっとだけな。」


レイ「やったー。」


逢魔「愛想のねぇやつ。」


レイは無表情のまま両腕を上げてガッツポーズをとる。


逢魔「それで、お前がトドメ指したいか?」


レイは頭を縦に振るとそのままジョンのもとへ歩いていく。


ジョン「腕・・・俺の腕ぇ・・・・・・。」


レイはジョンの口に手を当てる。


凍結が広がり、ジョンの鼻と口を完全にふさいだ。


ジョン「もごぉぉぉぉぉ!!もごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


レイ「その息苦しさは、私達奴隷が感じてたものだよ。」


ジョン「もごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!もごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


やがて両腕があがらなくなり、しばらくした後動かなくなった。


レイはしばらくジョンを眺めた後、手を合わせてお祈りをする。


レイ「みんなの恨み、ちゃんと晴らしたからね。」


その後、逢魔の元へ走っていく。


レイ「これで私も連れてってくれる?」


逢魔「・・・・・・・・・・・・・・・。」


悩んだ末、


逢魔「・・・・・・好きにしろ。」


レイ「やったー。」


ゼル「奇妙な勇者パーティだぜまったく。」


正式にレイが加わり、逢魔は再び旅路を歩き始めた。


逢魔が去ったこの国からは、もう生命の息吹を感じなかった。

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