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虐殺の英雄  作者: 社長
第一章、英雄譚
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G-1 英雄譚の始まり

ジャラ、ジャラ。


鎖が床にこすれ、いびつな音を立てながら地下に響く。


ノワール王国。


地下で採掘される『ノワール鉱石』と呼ばれる魔力のこもった石を売却し栄えた王国。


ノワール鉱石の使い道は幅広く、魔道具や魔術触媒など世界の発展に役に立つものばかりで他国が喉から手が出るほど欲しい物質だ。


それゆえ、掘れば掘るほど国が潤う魔法の鉱石なのだ。


もっと欲しい、もっと稼ぎたい、もっと掘りたい。


そう考えた王は考えた。


国の汚点である貧困層の国民を奴隷にし、鉱石を掘らせればいいのだ。


奴隷に渡される給料は雀の涙ほど。


汚点はなくなり、国は潤う。


これをきっかけにノワール王国は一石二鳥の非人道的な政策に乗り出たのだ。


ノワール王国、人々はその国を『暗黒王国』と呼ぶ。


地下に広がる暗黒に消え去った国民たち。


他国も事情は知っているがあえて黙認している。


指摘でもしてみろ、お前の国とは二度と取引はしない。


所詮は金だ、利益のために奴隷たちは目をそらされ今日も地下深くの暗黒でつるはしを振る。



雇い主「おい、手が止まってるぞ!!」


パシィィンと鞭が奴隷に振るわれる。


奴隷「も、申し訳ございません・・・。」


奴隷は慌てて鉱石を掘り始めた。


休みは与えられない、一日20時間鉱石を掘りそのほかの時間は床で寝る。


奴隷「もう・・・、限界・・・・・・。」


雇い主「ちっ役立たずが、術士さんもう一名お願いします。」


死にそうになれば国お抱えの回復術士が魔術で過労を吹き飛ばす。


奴隷たちは逆らえない。


反逆をすれば最後、そのグループは連帯責任で処刑される。


ゆっくりと体の内側から焼かれながら死んでいく。


奴隷「(もうこんな生活嫌・・・、誰か助けて・・・・・・。)」


一人の奴隷が助けを願う。


しかし、こんな地下深くに助けなど来るはずがない。


この女奴隷はこの地下で生まれ、5歳のころから10年も鉱石を掘り続けていた。


楽しみも何もない地下深くで女は泣き崩れた。


当然それを雇い主は見過ごさない。


雇い主「貴様ぁぁぁぁ!!手を動かせ手を!!貴様らゴミが涙なんぞ流すな!!お前たちは一生この地下で働くんだからな!!」


女は鞭でたたかれる。


意識は薄れ、もう痛みすら感じなくなった。


奴隷「誰か・・・、助けて・・・・・・。」


薄れる意識の中、聞こえるはずもない小さな声で助けを求める。


しかし、雇い主の鞭の音だけが地下に広がるだけだ。




ボゴォォォォォォォォォォン!!!!




けたたましい音が地下に広がる。


落石が起きたのか?いや、そうではない。


人が降って来たのだ。


土煙の中、人影と謎の小さな影が映し出された。


???「おい、また小物かよ。お前のその本あてになんのか?」


??「うっせぇ!!お前が弱いだけだろガキ!!」


喧嘩している二人に雇い主は憤慨した。


雇い主「き、貴様ら!!侵入者か?この地下鉱山は立ち入り禁止だぞ、わかっているのか!!」


雇い主は鼻息を荒げながら鞭を振りかぶる。


振って来た男はその鞭をいともたやすく手で受け止めた。


雇い主「な、なんなんだ!!お前らは誰なんだ!!」


???「へっ、俺が誰か?教えてやるよ。」


男は拳と拳を突き合わせて、まるで待ってましたと言わんばかりに声高らかに名を名乗った。


逢魔「俺の名前は神成カミナリ 逢魔オウマ、英雄だ!!」

五話くらいまで今から1時間に一話ずつ公開されます

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