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妖界放浪記  作者: 善童のぶ
妖都征圧阻止編
30/265

29話 征服妨害出撃

5話無事に投稿終わりました!

明日から一部の見せ場へとなります。ここで明かされていない紗夜の異能の特徴が一部公開です。


かなり多く投稿したので疲れました。一気に投稿したので、読み続けるのが大変な人もいるかと思われます。

 雪姫の料理を全員が死ぬ気で食べきり、お腹に違和感がある中、話し合いが行われた。來嘛羅は自分の椅子に腰掛け、俺達はその周り囲うように立っている。

 当然、秋水の件についてだ。

「來嘛羅様、どうぞお話し下さい」

 女天狗がそう聞くと、來嘛羅がこの場を仕切る。

「さて、其方らも知っておろうが数週間後に秋水は動く。妾の言ってることは確実じゃ。奴等は妖都を混乱に陥れるために妖怪を操り、妾に喧嘩を売ろうという腹じゃ」

 秋水達が妖怪を支配し、妖都にする計画。シンプルだが、これが本当に起きて仕舞えば大変なことになるらしい。

「支配されるとどうなるんだ?まあ、俺はそんなことにはなって欲しくないが」

「妖界は常に均衡を保っておる。妖怪も人間も仲違いするが、距離は詰め過ぎぬ方が良いのじゃ。寧ろ、其方らが既に壊しておるがな?」

「詰め寄り過ぎか?妖怪と人間で友好関係なんか普通だろ?」

 來嘛羅だけではなかった。烏天狗と女天狗も俺達の状況は異質なのだとか。

「それはそうです。人の子が妖怪と対等な立場を築く上で友好は稀です。しかし、それ以外を望めば今回のような事態を招くのです」

 女天狗は心配そうに言う。

「貴様が來嘛羅様に加護を受けた時点で恐ろしいのだぞ?太古の妖怪である來嘛羅様の加護。これを受けたら妖怪達はどう出るだろうな?」

 なんかヤバい事になってねえか?怖くて聞いてみた。

「來嘛羅、それってどういう…」

「うむ、妾の加護は他の者とは違う代物。お主に寵愛を捧げた。他の妖怪はそう捉えるであろう?」

「そうなるんだな」 

「さぞ、人間と妖怪に狙われる可能性があるという事じゃ」

 ……え?今、なんて?

阿呆あほうの顔をしおって。幸助殿は既に秋水らに目を付けられる条件を満たしてしまったのじゃよ。近いうちに、お主は秋水に狙われる定めなのじゃ!」

 なんで笑えるの?っていうぐらい、來嘛羅に余裕があった。俺が命狙われる原因はこれだったのか……。

「滅茶苦茶羨ましがられてんじゃねえか‼︎」

 凄い優越感があるんだが。ここまで狙われているのに喜べるだなんて、俺は分かり者だな。

「フッフッフッ、お主は変わり者じゃな?狙われておるというのに喜ぶとは」

「秋水って奴に狙われてるんだったら待ってれば良いんじゃないのか?」

 俺を狙う目的なら、寧ろ、返り討ちしてやればいい。そう思った。

「秋水は簡単には動かぬぞ。初めて駒の捕獲に失敗したのじゃ。さぞ、お主に執着するであろう」

 來嘛羅は俺が支配できなかったことで、秋水が焦っていると言う。

「俺があいつらを追い払ったことで確実に俺を仕留めようとするんだな?」

「仕留めはせぬ。秋水は幸助殿の異能を欲しておる。人は殺さずして、宵河に拘束しておるのじゃ。人間は数人を除き、そこに収容されるように閉じ込められておる」

 俺は流れるように上手く話が進んでいると感じた。俺が求めている答えが分かってきた。秋水の能力が分かってきた。

 來嘛羅がしたい事。その目的が分かった。

 俺達が秋水の潜む地下に襲撃する間、來嘛羅が宵河に行って人間を倒すんだ。多分だが、秋水の能力と集められた人間には何かしらの関係があるというのが、俺の推測だ。

「分かった。來嘛羅が宵河で足止めしている間、俺達で妖都の妖怪を助け、秋水達をぶっ潰してくるぜ‼︎」

「うむ。幸助殿の決心、無駄にせぬぞ」

 來嘛羅が一方的に提案した計画だが、それは理にかなっている気がした。

「悟美ちゃん、紗夜ちゃん。二人が危険に巻き込まれそうなら私達を呼んでね?」

「大丈夫だわ。ちゃんと屑共は葬ってきちゃうから!」

「わ、私も…イジメは良くないし。ちゃんとが、が…頑張ります‼︎」

「來嘛羅様の御恩は忘れてはなりません。緊張しないように頑張ってね」

 女天狗のイメージが違うのに今更気付いた。本来は気性荒い性格の筈だが。大人しいという伝承、なかった気がする。まあ良いかな、ずっと怒りっぽい烏天狗と比べたら大人しい方がマシだしな。

 上手くいく保証は來嘛羅が作ってくれる。宵河を來嘛羅が制圧し、俺達が夜城を制圧する。制圧というか、妖怪を助け、秋水達を倒してくるんだが。




 俺達は別れた。來嘛羅は転移で宵河に先に向かった。だが、移動に関して、問題が発生。

「烏天狗。あなた、転移できる?」

「黙れ雪女!俺がそんな転移、持ってる筈がないだろ‼︎」

 この中で妖都に行ける手段を持っているのが雪姫しかいないのだ。そして、雪姫の移動にはリスクが伴う。雪に耐性がない人間が跳ぶと凍り付いて死んでしまう。妖怪の烏天狗と女天狗は死なないから問題ないが、悟美と紗夜は一緒に行けない。

「どうするんだ?二人死んじまうぞ」

 俺は心配した。この二人も来て貰わないと倒せねえんだよ。

 悟美から馬鹿みたいな案が出た。

「私達は耐えて頑張るわ。異能で乗り切れると思うし、紗夜はいつものね」

 根性論だった。來嘛羅と特訓したが、根性でやり遂げられる気がしなかった。きちんと対策を練った上でやるのが上等だ。

「本当に大丈夫?私の移動、死ぬかもしれない。本当に良いのね?」

 雪姫も再確認する始末。そりゃあ、死なれたら嫌だろうしな。

「死んだら死んだで大丈夫。どうせ、來嘛羅の加護で耐えられるし」

「わ、私は大丈夫‼︎うん!悟美ちゃんが、あっ…うん」

 紗夜がテンパっている。変なところでテンパったりする奴だな。掴み所が見えない不思議さと異質な雰囲気を匂わせてくる。

「とりあえず俺に捕まってろ。俺は雪姫の凍結には耐性があるから死なねえよ」

 俺は悟美の方を掴む。紗夜はいつの間にか消えていた。

「あれ?紗夜って奴はどうした?」

「紗夜は私の影に入ったわ」

「そうなのか。雪姫、準備出来たから行こうぜ?」

 紗夜は気にしない方がいいな。どうせ、足手纏いになりそうだし、影にずっと居て貰った方がいいかもな。

 そんな偏見を抱きつつも、秋水を倒す決心する。

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