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次の標的

 次は何処を攻めようか?

 俺は考えをまとめるべく、暗黒街を闊歩していた。

 既に俺が最大のマフィア。ニルデラートファミリーを壊滅させたというニュースは、暗黒街に広く流出しており、俺を見ると皆道を開ける。

 その顔には怯えの色が濃い。

 うーん。これは困った。とても落ち着かない。

 かといって望んで壊滅させたわけだし、これは仕方のないことなのだろう。


 俺は馴染みの情報屋の元へとやって来た。

 俺の顔を見ると情報屋は緊張感のある顔で身構える。


「旦那。今日はどんな情報をお求めで?」


「そう警戒しないで欲しいんだけど」


 まあ、一度俺を売ったわけだし、いつ俺の怒りに触れるかわからないと思えばこの態度も仕方のないことなのかもしれないが。


「旦那は今や有名人だ。身構えるなというほうが難しいですね」


「うーん」


 俺は頭をかく。

 ともかく用件を伝えようか。


「欲しい情報は変わらず、奴隷に関することだ。誰が多く奴隷を集めているとか、酷い目に合わせているとか、そう言った情報はないか?」


 情報屋はしばし考えていたが、ニヤリと笑うと「旦那ならいいか」と頷く。


「一人、ヤバイ奴隷を飼っているって噂の貴族がいます。まあ、噂って言うかほぼ確定って感じなんですがね」


「ヤバイとは?」


 どういう方面でヤバいのかよく分からない。


「どうもその奴隷がエルフって話なんですよ」


「エルフだって!?」


 エルフが奴隷だって?

 異世界モノのテンプレといってしまえばそれまでだが、俺は常軌を逸していると思った。


「だって、エルフは友好国」


「ええ、だからヤバイでしょう? 貴族は国の為に動かなければならない。その貴族が友好国のエルフを奴隷として飼っている。イカれているとしか思えねえ」


 もし、こんな情報がそれこそアルトスなんかが知れば、アルトスと同じ保守派と合わせて、同盟を白紙に戻す話が持ち上がるだろう。

 もしかすると全面戦争なんて事態もあり得る。


「どこの誰だ? そんなことをしているのは?」


「ワルアーク公爵。裏の社会でも結構有名な人物です。裏の社会でも有名っていうのがどういうことか分かりますかね?」


 つまり、マフィアなんかをよく使っているってことか。

 そんな奴が公爵。


「とにかく悪い噂が絶えませんやね。ただ、身分が貴族最高位の公爵っていうんで、王族といえでも簡単に捜査出来ねえ。証拠が揃ってないとどうにもならねえってわけで、状況証拠くらいならいくらでもあるんですが、決定的な証拠は掴ませねえ。だから今もこうして野放しになっている状態ですね」


「なるほど」


 例え奴隷やエルフが関わっていなくとも放置していい奴じゃなさそうだ。

 決まりだ。


「そいつの情報を教えてくれ」


「わかりました」


 ワルアーク公爵か。

 俺はもう完全に自重をやめている。

 目立ちたくないとかそんなことは考えていない。

 俺の持てる力全てを使って助けられる人を助ける。

 貴族だろうが公爵だろうが関係ない。


 エルフを奴隷だって?

 見過ごすことは出来ないな。






 その日の夜。


 ワルアークは素っ裸でいた。

 みすぼらしいどぷんと垂れた腹が目につく、しまりのない体形で、髭を生やし、頭髪はかなり後退している。

 しかし、性欲は今も現役、いや、全く衰えてはいなかった。


 ワルアークの目の前にいるには二人のエルフ。

 二人共下着姿で、手首を縄で結ばれて、その縄もベッドに固定されている。

 ワルアークは下卑た笑いを浮かべその光景を楽しんでいた。


「ぐっふっふ。今日も可愛がってやるぞぉ~」


 ワルアークはよだれを口の中に溜め、べろりと舐める。

 エルフたちは恐怖と怒り、羞恥で顔を赤く染めていた。


「い、いやぁ」

「くっ、殺せ!」


「がっはっは。誰が殺すか。お前たちはたっぷりと可愛がってやる。わしが飽きるまで徹底的に。そう、徹底的にな。がはははは!!」


 ワルアークは高らかに笑う。

 この奴隷たちは逃げられない。

 縛り付けているので抵抗も出来ない。

 首には魔法発動を阻害するマジックアイテムの首輪をつけているので魔法も使えない。

 何も出来ずにただ自分の慰み者になるエルフを見ながら、ワルアークは愉悦に浸っていた。


「くっくっく。嫌がっていられるのも今の内だ。これが見えないかぁ?」


「うっ」

「それは・・・」


 ワルアークが持っているのは軟膏だ。

 所謂媚薬である。

 これを塗られると色々と不味いことになってしまうのだ。

 そんな不味い状態には絶対になりたくない。

 縄を伸ばせる限界ギリギリまでエルフたちはじりじりと逃げたが、どうにもならない。


「さあて、塗るぞぉ。塗ってやるぞぉ。またいい声で鳴いてくれよ?」


「く、来るな!」

「もうやめてぇ!!」


「がっはっは。堕ちて従順になった女はつまらんからな。お前らの様に抵抗している時が一番楽しい。堕ちるその瞬間をわしに見せてくれぇ」


 最低の変質者であるワルアークは舌を垂らしながら媚薬に手をかけた。


「誰か・・・」

「助けて」


「だーれも助けになんか来ないぞー! さあ、お楽しみの時間」


 ドオオオオオオオン!!


 その時、部屋のドアが吹っ飛んだ。

 ワルアークはぎょっとしてそちらを見ると一人の男が立っていた。


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