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遊具

 ニルデラートファミリーを壊滅させた俺は、孤児院に帰還しようと街中を歩いていた。

 すると、ある気配を察知し声をかける。


「ニンデスト。いるな?」


「主の側に」


 突然どこからともなく現れた黒装束の男。

 先程名前を言ったが、この男はニンデスト。俺が老師と共に過ごした白い空間で戦ったモンスターの一体。

 まあ、こいつは魔族と呼ばれる種族らしいが。

 気配を消すことに長け、諜報も出来るということで、忍び見たいなやつだなと思った。


 今彼には孤児院の警護を任せている。

 俺は今派手に動いているからな。

 敵も作ってしまっているだろうから、その為の用心だ。


「何かあったか?」


「特に何も。数日前まではニルデラートファミリーがちょっかいをかけてきていましたが、それも今はなく」


「ああ、今日潰してきたよ」


「流石主。いえ、主にとっては造作もないことですね」


「拠点が多いから面倒ではあったけどね」


「我らを使えば、もっと事は簡単に運んだでしょうに」


「そうだね」


 まあ、顔を売りたかったというのもある。あの界隈でもう俺の顔を知らない者はいない。

 舐められることも無くなっただろ。


「これからも警護頼むよ」


「御意」


 そう言い残してニンデストは姿を消す。

 うーん、マジで忍びだ。





 孤児院に帰ると子供たちが俺に群がってきた。


「セイマお兄ちゃんおかえりー」


「にーちゃん遊んでー」


 はっはっは。

 可愛い奴らめ。

 俺は子供たちの頭をわしわし撫でた。


「ブランコの調子はどうだ?」


「あれ、超おもしれー」


「お兄ちゃん後で勝負しようよ」


 俺が子供たちの為に作った遊具、ブランコ。

 気に入ってくれたようで何よりだ。

 だが、遊具がブランコだけというのも寂しいな。

 シーソーでも作るか。

 まだまだ構想はあるのだ、ふっふ。


「ブランコで競争は危ないからやめような。高いと落ちた時危ないからな」


「えー、つまんねえ」


「限界まで高くこぎたい!」


 気持ちは分かる。

 ブランコっててっぺんまでやってみたいよな。

 俺なんか一回転させたいとさえ思ったことがある。

 まあ、流石に危ないのでやらなかったが。


「さて、少年少女よ。そろそろお腹が空かないか?」


「すいたー」


「またセイマお兄ちゃんが料理作ってくれるの!?」


「ようし、作ってやろう」


「「「やったー!!」」」


 ふっふ。

 ラーメン以降俺の作る料理は子供たちで大評判だ。

 ステラたちにも人気だしな。

 さて、今日作る料理は・・・。





 まずはジャガイモ、にんじん、玉ねぎを一口サイズに切って煮込む。

 その間に別のコンロで牛肉を一口サイズに切ったら焼いていく。

 軽く焼き目がついたら煮込んでいる野菜と合わせて、ローリエを加える。

 水を加えて煮込む。

 火が通った所で、次元収納袋の出番だ。

 今回取り出すのは、ジャジャーン! カレールー。

 お手軽簡単カレールー。

 こいつを投入し、かき混ぜる。

 ルーが完全に溶け込んだら完成。


「カレーの出来上がりだ!」


 炊き立てご飯にかけてお召し上がりください。


「さあ、出来たぞ!」


「わあーー、、、、あ、、あ、、、?」


 喜んで食卓についた子供たち。

 しかし、カレーを見るや顔色が変わってきた。

 うん? どうした? カレーは子供たちが大好きな食べ物だろう?


「でろっとしてる」


「茶色ー・・・」


「これってあれだよね、うん」


「それ以上言うな!」


 それは言ってはいけないんだ。

 全国のカレー愛好家を敵に回すぞ。


 しかし、そうか。

 見た目か。

 カレーを食べたことのない人にとってはこの色とドロッとした見た目が食欲を減少させるのか。

 これは盲点だった。


「よし。じゃあまずは俺が食べてみよう」


 俺は手を合わせた後でスプーンを握ると一口カレーを口に運んだ。


「うん! 美味い!」


 はぁ〜ん。家庭の味だ。安定のお家カレーだ。

 店で食べるものとはまた違った味わいがある。


「この味と香りが尚食欲を増す」


 俺はガツガツと食べ続ける。


「セイマ? そんなに美味しいの? それ」


 ステラが訪ねてくるので俺は親指を立てる。

 カレーってルーがあればまず失敗しない料理だよな。

 お手軽で尚且つ美味い。

 ラーメン同様、日本人に愛される味だ。


「あ、あたしセイマお兄ちゃんが食べるなら食べてみる」


「僕も」


 クレアとカイが名乗りを上げる。

 お祈りを済ませ、いざ、一口。


「うっまーーーーい!!」


「凄く美味しい!」


 それから二人は無言でカレーをかっ込んだ。

 うんうん。本当に美味いと無言になっちゃうよな。


「そんなに美味しいの?」


「でも、なんかいい匂い」


 それから子供たちは恐る恐るスプーンを握ると、目配りをしながらカレーを口にした。

 そして、


「うめーーー!!」


「これ、凄く美味しい!!」


 はっはっは。

 そうだろう、そうだろう。


「セイマ。これはなんて料理?」


 ステラも口にカレーを頬張りながら聞いてくる。

 うん。彼女も気に入ったらしいな。


「これも俺の故郷の料理。名をカレーと言う」


「カレー」


 それから子供たちにラーメンと同じ様にカレーをねだられるようになった。

 この世界でも日本人の愛した料理は気に入ってもらえる様だ。

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