帝国
ちょっと短めです。
セイマたちがいるシュレーン王国の東に位置するラウザード帝国。
人口は王国よりも多く、国土は同じくらいの面積を誇るこの国は、以前から王国侵攻を企てていた。
しかし、魔族と呼ばれる種族の侵攻により、人類が一丸となってことに当たらなくてはならないと、世界的サミットで決定し、中々踏み切れなかったのである。
しかし、その条約期間も間も無く切れる。
そうなれば、もう更新するつもりなど毛頭ない。
帝国は元は小さい国家に過ぎなかったが、その精強な軍人による軍隊によって版図を広げ、巨大な帝国へと成り上がった。
ここ数年で更に軍事強化を十分に行ない、王国に放った多くの密偵の報告から、あちらの国の軍事力はすでに判明している。
間違いなく勝てる戦である。
更にこちらには兵以外にも切り札が存在した。
「サウザンドマスターよ。いよいよ貴様の力を使う時がやってきたぞ」
帝王オデニー・ドゥ・ラウザードは嫌らしい笑みを浮かべて、ローブを羽織る男に呼びかけた。
この男こそ、帝国を統べる王。
大陸の覇権を目論む覇王である。
「クックック。この力必ずや陛下の力になってご覧に入れます。どうか、ご安心を」
「うむ」
本名は誰も知らない。
ただ千の魔獣と契約した契約者であることからサウザンドマスターと呼ばれている。
侵攻する兵は十五万騎。
そして、このサウザンドマスター。
春になり、季節もこちらに味方した。
一気に侵攻し、全てを奪うのだ!
帝王オデニーは勝利を確信していた。
しかし、オデニーは知らなかった。
王国には今とんでもない怪物がいるということに。
オデニーは心底恐怖することになる。
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