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俺は兄貴の付き合っていた女性を直ぐに好きになる!

作者: 七瀬







“俺は兄貴の付き合っていた女性を直ぐに好きになる!”






俺は3つ上の兄貴を慕っていた。

勉強もスポーツも性格も人柄も笑う笑顔でさえ俺は兄貴に勝てる

モノがなかった。

父親も母親も兄貴にはめっぽう甘かったが俺には厳しかった。

何かと親に“兄貴と比べられる俺”

普通なら? 兄弟と比べられて嫌だと思うのかもしれいが俺は別に

気にもしなかった。

兄貴は俺に物凄く優しかったからだ。

どんな時も俺の味方でいてくれた。

俺は、“心から兄貴を尊敬している。”

だから幼い時は特に、兄貴の後を着いて回って遊んでいた。

兄貴が興味が持ったモノは、俺も興味を持った。

いつも泣き虫の俺を、先を歩いている兄貴が俺の手を引いて前を歩いてくれた。

どんな時も弱音を吐かない兄貴が俺の誇りだ!







 *





でも? 兄貴が高校生になり初めて彼女がデキると? 俺と遊んでくれる時間

が少し減った。

兄貴と居る時間が減ったことよりあの時の俺は“兄貴の彼女に興味があった”

兄貴と別れたら俺と付き合ってもらおうと決めていた。

案の定、高校2年生になると? 兄貴とその彼女は別れてしまう。

俺は猛アタックしてその彼女と付き合ってもらう。

ただこの時の、3歳上の女性ひとは俺から見ると随分と大人に見えた。

キスをした時も体を初めて重ねた時も、俺は少し背伸びをしていた。

彼女に見合った男性になろうと努力もした。








・・・だがやっぱり、“子供に見えたのか?”

長続きしなかった。

半年もしないうちに別れてしまう。

兄貴は俺が“兄貴と付き合っていた彼女と俺が付き合っていた事を知っていた”

兄貴も俺と彼女を応援してくれていた。

でも、彼女とはもう終わった。




『なあ、一貴?』

『うん? なんだよ兄貴!』

『“なんでオレと付き合ってた彼女と付き合いだしたんだ?”』

『・・・えぇ!? いい女に見えたからだよ!』

『別にオレと付き合ってた彼女だからじゃないぞ! お前にはお前に

あった女性ひとと付き合ってほしんだ。』

『・・・それって? どういう事? 同学年の女が俺には釣り合ってるって

事じゃないよな?』

『そうじゃない! お前が本気で好きならそれでいい! でもな、“オレの

お下がりがいいならやめとけ!”』

『そんな言い方? 兄貴の俺はお下がりなんか思ってないよ!』

『知ってる! だから、お前の好きな女性と付き合ってほしんだ!』

『・・・あぁ、分かったよ。』

『分かってるなら、もうこれ以上オレからいう事はない!』

『なんだよそれ? 兄貴らしくないな~!』

『そうだな! 腹も減ったし、旨いもんでも食いに行くか!』

『あぁ!』







俺の兄貴は尊敬できる兄貴だ!

俺は兄貴と付き合ってきた女性ひとと絶対に付き合いと思うようになる。

服のお下がりはあったけど? 女性ひとのお下がりは俺だけなのだろうか?

でも? 兄貴と付き合っていた彼女にしか女性に興味が持てなかった。

だから俺が付き合ってきた彼女は皆、“兄貴の元カノだ!”

兄貴も俺が兄貴と付き合っていた彼女としか付き合っていないと知ると?

俺に女性ひとの事は一切、話さなくなった。






・・・でも? 兄貴と最後に付き合った彼女だけは俺に唯一内緒にしていた

彼女だ。

兄貴は彼女と【結婚】を考えていたからだ。

俺に渡すまいと彼女の事を親にも口止めしていたらしい。

親戚や共通の友達にまで口止めしていた。

まあ、確かに兄貴のその彼女の事を知っていたら? 俺は兄貴と別れるのを

ひたすら待っていたかもしれない。

ただ俺にもルールがある。

“必ず兄貴と付き合っていた彼女”という事が限定だ!

付き合ってそのままゴールインしたなら俺は兄貴の彼女を奪ったりしない!





『兄貴、結婚おめでとう!』

『ありがとう、一貴。』

『まさか、兄貴が結婚するとはな!』

『ごめんな、お前にはずっと彼女の存在を隠してて。』

『いや? 俺でもそうするよ。』

『お前が弟で良かったよ。』

『俺もだよ。』

























・・・3年後、兄貴と彼女は離婚した。

俺は早速、兄貴の“元嫁と1年後に結婚した。”

俺のルールは、結局何も変らない!



最後までお読みいただきありがとうございます。

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