プロローグ
夜道の交差点にけたたましい警告を示すクラクションが鳴り響く。
その方角を見れば目に写ったのは赤く光る信号と加速して迫ってくる
その時私は死を覚悟した・・・
「あっぶないなぁ。歩行者信号青だっつーのに」
私は幼なじみにして親友に肩を引き寄せられ、トラックの進路から外れた。
「あ、晶、助かったわ」
「卯月さ、なんて格好で出歩いてるの?彼氏の趣味なの?」
眼鏡の位置を直しながら剣道着のままの親友に、上下共に高校のジャージの私
短くも美しい程に黒い髪を夜風になびかせながら私の親友は呆れていた。
・・・いやあなたの格好で言われたくはないんだけど。
「ボクがガツンと言ってあげようか?」
「いやこれ私が楽だからだよ?私が好きで着てるんだよ?」
楽だよ?と付け足すと晶は笑いながら私の艶の少ない金髪をくしゃくしゃと撫で回した。
二人とも同じショートカットなのに色も質も異なることに嫉妬を感じるが、この距離感は心地よいものだった。
送ってあげよう。という提案に乗り、私達は連れ立って歩く。
「・・・なんの標識?」
「いやこれ標識というか・・・」
途中道路の真ん中に大きな円とそれに沿った異国の言葉で装飾された光り輝くなにかがあったが怪しいので迂回した。
どう見ても魔法陣とかそういうのだが。
他にも道中ゴミ捨て場に見慣れぬ綺麗なドアがぽつんと立っていたり、なんか天使のコスプレをした勧誘がいたりしたがそれらを無視して道を進む。
そして私の彼氏の家に近づいたその時だった。
「卯月!!!」
最初に気がついたのは晶だった。
晶が上空を指差し、その方角に顔を向ける途中、私もその異変に気がついた。
夜なのに明るいのだ。
明るさの原因である『一点』はその大きさをだんだん増して、辺り一面が閃光に包まれたかと目的地の彼氏の家が吹き飛んだ。
なんとなくではあるが私は隕石が落ちたと思い、私も意識を失った。